真っ赤な宝石

「ほうほう」
ライツが顔を近づける。その真っ赤な肌はつやつやで、彼女の顔が映るほどだった。
「う~ん」
対して洋介は、渋い顔で頭を抱えていた。
(そういや、おばさんの療養先ってイチゴの名産地だったか?)
洋介の記憶に残るのは海辺の町だからイチゴが採れるイメージはない。
「よかったら食べてください、って気軽に言えるようなレベルの代物じゃない気がするなぁ」
入っている箱から見るからに高級品である。正直、洋介は手が震えた。
贈り主は優香の母親だ。
一度、会いに行ってからは時々こうやって贈り物をしてくれる。大変ありがたいし、好かれることに悪い気はしないのだが。
こうして、気後れすることが多々あるのだ。
「おっきいねぇ」
ライツは気軽に、そのうちの一つを抱えている。
(ライツがちっさいんじゃ……)
そう思ったが、明らかに洋介の知る一粒よりも大きかった。
(ライツだったら一個でおなかいっぱいかな?)
その瞬間、洋介は思い出した。
幼い頃に見た絵本。森に住む小人が育てる農作物は全て人間が残したもので。自分よりも大きな果物を、皆で一生懸命育て上げていた。
(ライツ、ああいう服も似合いそうだよな……)
洋介は、ライツを通して絵本の小人が着ていた服を思い出している。
「ヨースケ?」
自分を見ていながら見ていない洋介の視線。それを不思議に思い、ライツはイチゴを抱えたまま、首を傾げていた。
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プロローグ
星使い ティンクル・ライツ ~願いは流星とともに~/想兼 ヒロ - カクヨム
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