2025年12月2日火曜日

【創作裏話】魔術が「迷信」になった現代世界の設定について【第1話】

 こんばんは。

本日もお疲れ様です。

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月輝く夜に

本日、『ソウル・エコーズ~精霊達への鎮魂歌~』を開始しました。
今回は、この物語の舞台となっている世界観、特に「現代社会における魔術の立ち位置」について、少し掘り下げてお話ししたいと思います。

「科学の理」が支配する世界で

物語の舞台は、私たちがよく知る現代社会とよく似た、高層ビルが立ち並ぶ都市です。
夜になればネオンが輝き、人々はスマートフォンの光を頼りに歩く。
そんな「科学の理」が支配する世界。

しかし、この世界にはかつて「魔法の理」が満ちていました。

かつて、世界は魔法の理で動いていた。 人々は神を信じ、奇跡を願った。その奇跡を、人は自らの力で起こす術を手に入れた。それを人は『魔術』と呼んだ。

第1話

この物語で描いているのは「かつて当たり前だった神秘が、忘れ去られた後の世界」です。

ファンタジー作品ではよく「魔法vs科学」という対立構造が描かれますが、この作品では「対立」というよりも、「忘却」に焦点を当てています。
魔術は科学に負けたわけではなく、単に人々が必要としなくなり、歴史の闇に溶けていった。
「そんなものは最初からなかった」ことにされている現代。

こちらの「星使いティンクル・ライツ」でも、似たようなテーマを使っています。
こっそりいなくなった神秘、そういうテーマが自分は大好物です。

コンクリートの森に潜む「異物」たち

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漫画風第1話

まだ名前しか出てきていない「適合者」は目立つことを嫌います。
監視カメラやSNSが発達した現代で「奇跡」を起こせば、どうなるか分からないからです。

「これだけ人がいれば、騒ぎを起こそうとはしないはず」
私が探している彼らは、人の目につくことを嫌う。

第1話より

現代社会のルールの隙間で、ひっそりと息を潜める「影」。
煌々と輝くビルの明かりが作る「影」。
その濃い闇の中にこそ、古の魔術が今も息づいている。

そんな感じをイメージしています。

「適合者」と「欠けた魂」

物語のキーワードとなるのが「適合者」という存在です。

なぜ彼らは争わなければならないのか?

その答えは、第二話以降で描ければなと思います。

科学の光で夜さえも明るくなった現代。
光が強くなればなるほど、足元の影もまた濃くなる。
そんな「都市の影」の物語を、ぜひ楽しんでいただければと思います。

▼ 小説本編はこちらから 

よかったら読んでいただけると嬉しいです。
評価いただけると、もっと嬉しいです。

それでは、またお会いしましょう。


2025年12月1日月曜日

【新作小説】『ソウル・エコーズ』連載開始のお知らせ —— 欠けた魂は、響き合う。

 こんにちは。

本日もお疲れ様です。

このたび、カクヨムにて新作長編**『ソウル・エコーズ ~精霊達への鎮魂歌~』**の連載を開始しました。

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コンセプトアートのようなもの

現代を舞台にした異能バトルファンタジーであり、一度死んだ少年と、表情の変わらない少女が出会うボーイ・ミーツ・ガールでもあります。

本日は、その序章を少しだけご紹介させてください。

「俺の名前は上月雄大。中学二年生。どうやら一度、よく分からないうちに死んでしまったみたいです」
ある日、命に関わる怪我を負いながらも、奇跡的に日常へ復帰した少年・上月雄大。 しかし彼には、その瞬間の記憶がありません。
そんな彼の前に現れたのは、透き通るような白い肌に、朱く輝く瞳を持つ少女・リィナ。 彼女は「儀式」の案内人として、雄大を非日常へと誘います。
悠久の時を超え、欠けた魂は己が半身を求めて響き合う――。

あらすじ

 息を吸う。その空気を、全身に張り巡らす想像をする。イメージするのは、先ほどから私の横を駆け抜けていく風だ。
 その想像が、足の爪にまで届いたとき、私は囁ささやいた。

「『我が体躯は風の如く』」

 私の声は夜に溶け、全身を包み込む。体中に生まれる浮遊感。私の体は、私が願ったとおり、風となった。
 柵を乗り越え、屋上の縁に立つ。その動きは軽やかだ。先ほどまで私を縛り付けていた重力は、ここにはない。

「今度こそ、捉えなければ」

 私はそのまま空中に舞った。夜の帳へと飛び込んでいく。

第1話「月輝く夜に」より抜粋

続きはカクヨムで
【欠けた魂は己が半身を求めて響き合う。 悠久の時、果てしない旅路の果てに】

以下のリンクから無料で読めますので、もしよろしければ応援いただけると嬉しいです。

▼『ソウル・エコーズ ~精霊達への鎮魂歌~』を読む

#小説 #カクヨム #ファンタジー #創作
想兼 ヒロ


2025年11月14日金曜日

【更新報告】完璧さと「弱点」について【魔王無き世の英雄譚】

 

完璧さと「弱点」について

こんにちは。
本日もお疲れ様です。

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もしかして、筆記試験、自信ない?

『魔王無き世の英雄譚~かつて世界を救った『拳聖』は、今生で『剣聖』を目指します~』
第16話「小さな背中」を更新しました!

▼第16話 小さな背中

モーングローブ学院に到着したエリクとライナス。エリクは、そこがかつての仲間である『慧眼』リディアが夢見て創設した「知の殿堂」であることに深く感慨を覚える。 二人が適性検査の長蛇の列に並んでいると、昨年ライナスを打ち負かした男に遭遇。「今年も記念受験か」と嘲笑われますが、ライナスはもはや怯えることなく、「今度は勝つ自信がある」と毅然と言い返し、自身の成長を見せた。

第15話「慧眼が見た夢」より

さて、第16話のタイトルは「小さな背中」でした。

この「背中」が誰のものか。
一応、二つありまして。

エリクが見送ったガリウスの背中と、ライナスが見たオチのエリクの背中です。

これまで、飄々としていて何でもできるエリク。
それもそのはず。中身には100年前の老戦士の自我と記憶がありますから。

名言はしていませんでしたが、ライナスはエリクを年上のように思っていたのです。
実際はライナスの方が年上ですけどね。

邪魔者を一撃で制圧する強さを見せた彼が、今回、思わぬ弱点を露呈します。

「基礎知識と、歴史と、算術と……」
「いや、それ全部だな」

筆記の内容が壊滅的。

今まではエリクがライナスを助け、導く場面が多かったのですが、 彼の「弱点」が明らかになったことで、初めてライナスがエリクを精神的に支える側に回ります。

苦手なものに落ち込み、とぼとぼと歩くエリクの背中は、ライナスの目にはきっと「小さく」映ったはずです。

完璧に見えるキャラクターがふと見せる弱さや人間らしさ、いわゆる「ギャップ」は、書く側としても非常に楽しいところです。

果たしてエリクは筆記試験を突破できるのか?
引き続き、試験の行方を見守っていただけると嬉しいです!

第一話はこちらから

読んでいただけると嬉しいです。
評価いただけると、もっと嬉しいです。

それでは、またお会いしましょう。

想兼 ヒロ


2025年11月11日火曜日

【第35話更新】水面に揺れるは、心の温度差

 こんにちは。

本日もお疲れ様です。

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都築の顔が一気に曇った。やってしまったなぁ……。

サマー・メモリーズ~モノクロームの水平線~
本日、第35話「水面の温度差」を更新しました。

お久しぶりです。
最近、急に寒くなりました。

そのせいで、体がびっくりしたのか体力がごっそり奪われてしまいまして。
皆様もお気を付けください。

さて、今回は幸人と萌の間に、少し重たい空気が流れるお話でした。
章タイトルにもした「水面の温度差」ですが、これはもちろん、主人公が苦手とするプールのことでもあります。

話の中でも触れましたが、幸人の根幹に関わる「苦手な物」の一つです。
まだ前に書いた「夕焼け」「赤色」に比べれば触れることができるだけ、マシなのですが。

幸人本人もそう思ってはいますが、萌はそうはいきません。

萌は、以前の「夕焼けの事件」(主人公が倒れた日)の記憶から、本気で主人公の体調を心配しています。
彼女にとって、主人公の「水面が苦手」という言葉は、あの日の悪夢の再来を予感させるものでした。

一方、幸人は(無自覚ですが)他人の感情に対して一歩引いてしまう癖があります。

この辺、タイトルの「温度差」に気持ちをこめました。
伝わっていたら幸いです。

よかったら読んでいただけると嬉しいです。
評価いただけると、もっと嬉しいです。

それでは、またお会いしましょう。
想兼 ヒロ


【SS】予想外の赤【サマー・メモリーズ】

  似合わない……なんで!? 「あ、あれ?」  鏡に映る私は、目を見開いて固まっていた。 頬はカッと熱いし、変な汗まで出てきた。そこに映るのは、予想外の姿。思わず目をそらしたくなるほどの不出来。  お小遣い握りしめて買ってきた赤リップ。期待していたからこそ、なんかガッカリだな。 ...