
――優香ちゃん、こういうのはどう?
遠方で療養している母から手紙と一緒に小包が届いた。
開封してみると、中にはぎっしりとアクセサリーが詰まっている。優香は、呆れつつも嬉しさを隠しきれなかった。
優香は容姿について、その心配りに妥協したことはない。しかし、優香のそれは自己研鑽と呼ぶべきもので、一種の作品作りに近い。
そんな彼女を見かねてか、優香が唯一日常的に身につけているアクセサリーであるヘアピン含む髪飾りを彼女の母は送りつけてきたのだ。
もちろん、それを選んだのにも理由がある。
彼女の母は、服を贈った時のことを覚えている。娘の可愛い姿を見たいと、優香の父に写真をせがむと、予想外の返事が返ってきた。
――そんなものを、いつ贈ったんだい?
そんな服を優香が着ていたところを見たことがない、と彼は言うのだ。
母が贈った服が好みではなかった、というわけではない。自分の好みよりも他者からの見え方、さらにいえば時・場合・場所という概念を優先してしまう優香は母の選択した華美な服装を無意識に避けてしまっていたのだ。
それならば、と選んだプレゼントがヘアピンである。しかも、大量に。
「もう、お母さんったら」
思惑通り、優香はドレッサーに並べたヘアピンを試している。鏡を見ながら、いつもとは違う自分を見る彼女はとても楽しそうだった。
今度こそ、娘の可愛い姿を母は見ることができるだろう。
当然、父には連絡済みである。
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プロローグ
星使い ティンクル・ライツ ~願いは流星とともに~/想兼 ヒロ - カクヨム
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