
不思議な響きが風に乗って届いた。歌だ。どことなく懐かしい、それで聞いたことのない調べ。
その歌に、誘われるように夜の世界に飛び出た。思ったよりも明るい。空には、丸く輝く月が浮かんでいた。
その月明かりの中に彼女はいた。
「~♪」
やはり聞いたことのない歌だ。詩はよく聞き取れない。声は、この蒼い月明かりのように涼やかに響く。
くるり、くるりと自ら生み出す音に合わせて舞う彼女は楽しそうで、どこか寂しそうでもあった。
「おや?」
目が合った。
「なんじゃ、また眠れぬのか」
初めて会った時と同じように、彼女は優しく問いかけた。話しかけながらも、舞うのを止めない。優雅に、そして力強く踊り続ける。
「さては、わしの声で起こしてしまったかの?」
これはまいった、とあまり反省していない様子で彼女は笑う。
そんな自由な、この夜のように開放的な彼女の態度を、少年は心地よく感じるのであった。
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プロローグ
星使い ティンクル・ライツ ~願いは流星とともに~/想兼 ヒロ - カクヨム
想兼 ヒロ
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