2026年1月13日火曜日

【創作】最高の再登場。ライバルが主人公を助けに来る「あの瞬間」について【雑談】

 

好きなシチュエーションの話

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『ふむ、往生際がいいのは美徳だが……もう少し、抗あらがってみたらどうだ?』

いきなり本題ですが、自分、かなり好きなシチュエーションがありまして。
それは「前の章段、もしくは前作のキャラが現主人公を助けにくる展開」。特に、ライバルキャラだった子が駆けつけてくれると最高ですね。

パッと思いつく例だと、漫画だと「僕のヒーローアカデミア」はそういうのが多くて嬉しかったりして。ラストバトル、最高でした。
あと、その中でもヒーロー殺しの時の轟君が一番印象深いです。

闇妖精カーラの帰還

「星使いティンクル・ライツ」の第三部、「祈りは夜天をこえて」では欲望に忠実にそういうのばっかり書いています。

【第三部本編はこちらから】

プロローグ
星使い ティンクル・ライツ ~願いは流星とともに~/想兼 ヒロ - カクヨム

「よくやった。そうでなくては、私が来た意味が無い」
 瞬間、洋介の落ち続けていた体にブレーキがかかる。内臓が変な動きをして気持ち悪くなったが、それも一瞬。体が止まったことに、洋介は安堵の息を吐いた。
 ようやく、色々と考える余裕が洋介に生まれてくる。心臓はまだ鎮まっていない。それでも、洋介はゆっくりと上を見上げ、繋いだ手のその先を見た。
「おまえ」
 その姿を、忘れるわけがない。
 周囲は未だに暗闇だ。それでも、彼女の姿を洋介ははっきりと視認できた。
 
 真っ白な肌に、ルビーのような緋色の瞳が輝いている、笑っている口元には、大きめの犬歯が見えた。顔に見覚えはあるのだが、その表情は初めて見るものだ。
 そんな優しい顔もするんだな、と記憶の彼女と見比べながら、確かめるように洋介は呟いた。
「カーラ」

第3部 第17話「暗闇に灯す火」より

その中でも、このシーンは自分の中でようやく書けたといえるもので。
連載当初から、この案はありました。
……彼女の初登場、敵役となる第1部がふくれあがったせいで実際に書くのはかなりあとになってしまいましたが。

皆さんも、好きなシチュエーションとかありますか。
よかったら教えてください。

【第一話はこちらから】

プロローグ
星使い ティンクル・ライツ ~願いは流星とともに~/想兼 ヒロ - カクヨム

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2026年1月12日月曜日

【SS】きらめきに飛び込んで【星使いティンクル・ライツ】

 

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「流れる星のキセキをここに!」

――私のように、命を削ってしまうのは嫌でしょう?

母、リッツはそう言ってライツにこのリングをたくした。
この輪は戒めであり、御守りだ。人間の基準でいえば、歪な親子関係。それでも、リッツが精一杯の愛情を込めて、ライツに預けたこのリング。
その想いを考えれば、気軽に扱っていいものではないことぐらい、幼いライツも分かっている。

それでも。

ライツは力強く、金色の輪を握りしめた。

――あなたに危機が訪れた時、これはあなたの力を解放してくれるでしょう。

リッツは「あなたに」と、ライツに告げた。ただ、リッツの思いとライツの認識は異なっていた。
(ライツはね、もう怖くないんだ)
ライツにとっての自分は、この小さな体だけではない。「自分をとりまく世界」、そのものだ。
その世界は、彼女の「友達」がくれたもの。だから。

ライツは躊躇無く、首の鎖を引きちぎった。彼女の意志に呼応して、鎖は自壊し、リングを解き放つ。

「流れる星のキセキをここに!」

その声に、その想いに、金色の輪が大きく輝く。その光は、ライツの体躯を飲み込めるほどに大きくなった。
ライツはその光に飛び込む。光は、ライツを包み込み、はじけた。

(だから、あたしはみんなの世界を護るよ)

封じられた大人の姿、虹色の翅を解き放って、ライツは乾いた空を飛ぶ。
世界を暖かい色に染め上げるために。

【本編はこちらから】

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2026年1月11日日曜日

【SS】日常のときめき【星使いティンクル・ライツ】

 

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思ったより楽しいかも。

――優香ちゃん、こういうのはどう?

遠方で療養している母から手紙と一緒に小包が届いた。
開封してみると、中にはぎっしりとアクセサリーが詰まっている。優香は、呆れつつも嬉しさを隠しきれなかった。

優香は容姿について、その心配りに妥協したことはない。しかし、優香のそれは自己研鑽と呼ぶべきもので、一種の作品作りに近い。

そんな彼女を見かねてか、優香が唯一日常的に身につけているアクセサリーであるヘアピン含む髪飾りを彼女の母は送りつけてきたのだ。
もちろん、それを選んだのにも理由がある。

彼女の母は、服を贈った時のことを覚えている。娘の可愛い姿を見たいと、優香の父に写真をせがむと、予想外の返事が返ってきた。

――そんなものを、いつ贈ったんだい?

そんな服を優香が着ていたところを見たことがない、と彼は言うのだ。

母が贈った服が好みではなかった、というわけではない。自分の好みよりも他者からの見え方、さらにいえば時・場合・場所という概念を優先してしまう優香は母の選択した華美な服装を無意識に避けてしまっていたのだ。

それならば、と選んだプレゼントがヘアピンである。しかも、大量に。

「もう、お母さんったら」

思惑通り、優香はドレッサーに並べたヘアピンを試している。鏡を見ながら、いつもとは違う自分を見る彼女はとても楽しそうだった。

今度こそ、娘の可愛い姿を母は見ることができるだろう。
当然、父には連絡済みである。

【本編はこちらから】

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2026年1月10日土曜日

【SS】月夜の舞【星使いティンクル・ライツ】

 

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「なんじゃ、また眠れぬのか」

不思議な響きが風に乗って届いた。歌だ。どことなく懐かしい、それで聞いたことのない調べ。
その歌に、誘われるように夜の世界に飛び出た。思ったよりも明るい。空には、丸く輝く月が浮かんでいた。

その月明かりの中に彼女はいた。

「~♪」

やはり聞いたことのない歌だ。詩はよく聞き取れない。声は、この蒼い月明かりのように涼やかに響く。
くるり、くるりと自ら生み出す音に合わせて舞う彼女は楽しそうで、どこか寂しそうでもあった。

「おや?」

目が合った。

「なんじゃ、また眠れぬのか」

初めて会った時と同じように、彼女は優しく問いかけた。話しかけながらも、舞うのを止めない。優雅に、そして力強く踊り続ける。

「さては、わしの声で起こしてしまったかの?」

これはまいった、とあまり反省していない様子で彼女は笑う。
そんな自由な、この夜のように開放的な彼女の態度を、少年は心地よく感じるのであった。

【本編はこちらから】
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【SS】予想外の赤【サマー・メモリーズ】

  似合わない……なんで!? 「あ、あれ?」  鏡に映る私は、目を見開いて固まっていた。 頬はカッと熱いし、変な汗まで出てきた。そこに映るのは、予想外の姿。思わず目をそらしたくなるほどの不出来。  お小遣い握りしめて買ってきた赤リップ。期待していたからこそ、なんかガッカリだな。 ...