
――私のように、命を削ってしまうのは嫌でしょう?
母、リッツはそう言ってライツにこのリングをたくした。
この輪は戒めであり、御守りだ。人間の基準でいえば、歪な親子関係。それでも、リッツが精一杯の愛情を込めて、ライツに預けたこのリング。
その想いを考えれば、気軽に扱っていいものではないことぐらい、幼いライツも分かっている。
それでも。
ライツは力強く、金色の輪を握りしめた。
――あなたに危機が訪れた時、これはあなたの力を解放してくれるでしょう。
リッツは「あなたに」と、ライツに告げた。ただ、リッツの思いとライツの認識は異なっていた。
(ライツはね、もう怖くないんだ)
ライツにとっての自分は、この小さな体だけではない。「自分をとりまく世界」、そのものだ。
その世界は、彼女の「友達」がくれたもの。だから。
ライツは躊躇無く、首の鎖を引きちぎった。彼女の意志に呼応して、鎖は自壊し、リングを解き放つ。
「流れる星のキセキをここに!」
その声に、その想いに、金色の輪が大きく輝く。その光は、ライツの体躯を飲み込めるほどに大きくなった。
ライツはその光に飛び込む。光は、ライツを包み込み、はじけた。
(だから、あたしはみんなの世界を護るよ)
封じられた大人の姿、虹色の翅を解き放って、ライツは乾いた空を飛ぶ。
世界を暖かい色に染め上げるために。
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