2026年4月12日日曜日

【SS】玄関で待つ二匹の白猫【ソウル・エコーズ】

 

玄関で待つ二匹の白猫

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猫二匹

「ただいまー」

いつものように鍵を開けて玄関のドアを開ける。すると、そこには不思議な光景が広がっていた。

玄関マットの上でちょこんと正座をしている、純白の装束を着た白い髪の少女、リィナ。 そしてその隣には、彼女とそっくりな真っ白い毛並みに朱い瞳をした猫が、同じように行儀よくお座りをしてこちらを見上げている。

「おかえりなさいませ、ユータ様」
「にゃあ」

見事なまでのシンクロ具合に、俺は思わず吹き出してしまった。
以前、母さんがリィナのことを、物音がすると玄関で待っていて「実家の猫みたいでおかしくてね」と言って笑っていたが、今日は本当に二匹の白猫にお出迎えされている気分だ。

「ただいま。……そいつ、どうしたんだ?」
「玄関前で震えていたので、お迎えしました」
そのとおりだ、と言いたげに白猫は鳴いた。

「この子が空腹を訴えています。お手数ですが、食事の用意をお願いします」
「……空腹ってのは、リィナもだな」

俺の言葉に、リィナは無表情のままこくりと頷き、白猫も同じタイミングで首を傾げた。
しかし、人に慣れすぎてるな、こいつ。毛並みもいいし、どっかの家から逃げ出したんだろうか。

「ちょっと待ってて。すぐにご飯の準備するから」
エプロンを手に取りながら、俺は小さく笑みをこぼす。とりあえず、空腹ではいい考えも浮かばない。
まずは腹ごしらえだ。ただ……ほんとの猫って何を食べるんだろうな。

「ぷふっ」

ナチュラルにリィナを猫に換算してしまった。猫耳つけたリィナを想像してしまって吹き出した俺を、リィナは無表情のまま不思議そうに首をかしげていた。

📖 『ソウル・エコーズ~精霊達への鎮魂歌~』連載中!

今回は、第16話の玄関でのお出迎えシーンに、「もし本当に白猫がいたら?」というテーマを付け加えました🐈🤍
過酷な運命の合間にある、温かい日常のひとコマです。

本編はこちらから👇

【Kindle本販売中】


    2026年4月1日水曜日

    【SS】🌸未来予想図の、その先へ🌸【サマー・メモリーズ】

     

    🌸未来予想図の、その先へ🌸

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    「はい、あなたの都築萌です!」

    桜が舞う彩華学園の校門前。 おろしたての真新しい制服に袖を通して、私は春の風の中で大きく深呼吸をした。

    中学の頃はあまり思い出したくない。
    自分の顔が嫌いで、前髪でずっと目を隠していた私。
    そんな私を救ってくれたのは、中3の夏の学校見学で出会った一枚の絵だった。

    「せっかくの武器を自分で隠してしまうのはもったいない」
    「思い込みって邪魔でさ。キャンバスは自由なんだから、もっと色々遊んでみたらいい」

    そう言って手渡してくれたスケッチブックには、この学校の制服を着て、長い髪を結って、満面の笑顔で笑う私がいた。

    それは「未来予想図」。
    あの日、私のモノクロだった世界に、パッと鮮やかな色がついた。

    あれから猛勉強して、自分磨きもすっごく頑張って、あの絵と同じように髪をふたつに結って……今日、私はここに立っている。
    目標はもちろん、沖田センパイのお嫁さんになることっ!

    「はじめまして、センパイ。新入生の都築萌です!」
    あの日もらった未来予想図よりも、ずっと可愛くなった私を見て驚いてくださいね。
    絶対零度の過去はもうおしまい。 完璧な高校デビューの、始まりです。

    あの「未来予想図」に、必ずたどり着くんだから!

    #サマメモ #サマーメモリーズ #都築萌 #高校デビュー #春 #桜 #未来予想図 #センパイ待っててください #愛の突撃準備完了

    【本編はこちらから】

    サマー・メモリーズ~モノクロームの水平線~/想兼 ヒロ - カクヨム


    2026年3月22日日曜日

    【雑談】役割と配置、ギャップ好きの戯言【創作】

     こんにちは。本日もお疲れ様です。

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    本日の演目は「黒衣の演出家」

    このイラストは『魔王無き世の英雄譚~砂上に舞う『歌姫』は高らかに『最強』を唄います~』のリリアン。本編は完結済みですので、よろしかったらぜひこちらからどうぞ。

    https://kakuyomu.jp/works/16817330668327610766/episodes/16817330668328117348

    個人的に一番好きな場面は、彼女がこの小柄な体躯と細身の剣で、敵の渾身の一撃を“力”で受け止めるシーンです。
    相手もリリアンのことはかなりの強敵だと思っていて、油断はしていないものの、まさか正面から力業で止められるとは思っていなくてビックリするんですよね。

    こういう、なんかズレたギャップみたいなものが好きなんです。
    逆にステレオタイプな役割が苦手なせいか、気づけば私の作品には、こういう一癖あるキャラクターがたくさん生まれているのが現状だったりします。

    たとえば、パワー担当が民族衣装を身に着けた華奢な印象の女の子だったり(現代だったらギャル風だなとか思いながら書いています)。
    趣味嗜好がどことなくオカン寄りな、思春期真っ盛りなはずの男の子だったり(好きなことは、夕食用の出汁をじっくりとる時間です)。

    ちなみにリリアンも、本編ではこんな感じで「大斧装備」になる予定なので、さらにその傾向が顕著になります。

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    本日の演目は「歌姫の卒業ライブ~大斧を添えて~」

    うまく使えば効果的なスパイスなんでしょうが、自分の場合はこれがデフォルトになっちゃってます。でもまぁ、これも「自分の作風」なんだと受け入れることにしました。

    もしよければ、そんなギャップだらけ(?)の自作を読んでいただけると嬉しいです。評価やコメントをいただけるともっと嬉しいです!

    それでは、またお会いしましょう。


    【5/4 文学フリマ東京42】現代ファンタジー小説『シルヴァランド物語~放課後の勇者~』頒布のお知らせ

      こんばんは。 本日もお疲れ様です。 5月4日(祝)「文学フリマ東京42」 会場2つに分かれてるんですよ。でっかい。 お品書き これまでの記事はこちら。 今日は現代ファンタジー小説『シルヴァランド物語~放課後の勇者~』のご案内です! ▼ あらすじ ポスター 小さな頃、遊び場にし...