アルシリア大陸について (幻遊剣士~理想と現実の狭間に~ より)


幻に遊ぶ人々、束の間の幻に夢を見る。その眼前には久しくなかった輝き。厚き雲が避け、一条の陽が差し込んでいた。
麗しかった大地は魔が支配し、亡者が闊歩している。長き夜を嘆く人は光に祈った。
――ああ、我らを救い給え。
その祈りに応えしは、天界の七神。すなわち、光、星、月、風、雷、炎、水の神。神々は人に聖なる力を授けた。聖戦士の誕生である。
希望の灯は魔を退ける。そして、再び大地は輝きに満ちるようになったのである。

~『幻遊戦争記』より~


◆アルシリア大陸

かつて、幻の彼方より現れた魔族と神に愛された人間との戦争(通称、『幻遊戦争』)の舞台となった土地。戦乱により大きな傷跡を残したが、戦争で活躍した七人の聖戦士の力もあって輝きを取り戻している。
大きく分けて6つの国と地域に分かれていて、気候や自然状況の違い、宗教観の差異によってそれぞれ独自の文化を作り上げている。

◆ヴェレリア王国

幻遊戦争後、『光の剣聖』ヴァレオが建国した国。幻遊戦争で魔族の信奉者達が集っていた旧イステロル帝国領の南部に位置している。帝国領は現在、セントクリフ皇国の保護下にあるが有事を懸念したヴァレオや歴代の王の意向もあり、軍事力を高めるために職業軍人の育成に余念がない。
本来は国王を中心とした貴族達による合議制をとっているのだが、国王は自身の軍事力を背景に専政を強めている。
中央は、王都ヴァレオを中心に最も栄えている。豊かな穀倉地帯も広がり、経済的に余裕のある人達が多い。テンフート山は光神教会の本山となっている。
山岳地帯の多い北部は、もともと狩猟民族の集落が多く独特な生活基盤を持っていた。王国が軍を派遣し、強制的に併合してから先住民族達の反乱が絶えない地域である。
東部は隣国アリエット王国の影響もあって、深い森が広がっている。王国に対しては可もなく不可もなく従っていたが、最近の増税で不満も高まっている。
南部は建国当初から領地を持ち、王国に協力していた貴族達が治めている。王国に税をおさめ、それぞれの貴族が自身の領地で自治を行っている。

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