2026年1月20日火曜日

【SS】犯行の現場【星使いティンクル・ライツ】

 

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現行犯逮捕

「ライツ、何か申し開きはあるかい?」

 洋介の、じとっとした言葉がライツを包む。
「……ありません」
 宙に浮いたライツはしばらくジタバタとしていたが、洋介は離してくれないと悟ると抵抗をやめてだらりとぶら下がっていた。

 現行犯逮捕である。その口には、証拠品のチョコクリームがべったりとくっついていた。
 サイズの問題もあるが、ライツは好物であるのにアイスクリームを食べるのが下手である。今もキッチンを汚しまくって、せっかくの可愛い服もチョコまみれだ。

(前に一度、カップごと抱えてなめだしたよな)

 いわゆる、お高いアイスクリームにスプーンが立たず、我慢しきれなくなったライツは顔ごとアイスに突っ込んでいったのである。あのときも、顔中がバニラまみれになっていた。

(言ってくれたら、あげるんだけどね)

 ライツはいつしか「盗み食い」という危ない遊びを覚えてしまった。友人という立場であるが、地上界で変な遊びばかり覚えてしまっては、彼女を信じて送り出してくれた親族に顔向けできない。

(よしっ)

 洋介は決意を込めた目で、ライツの瑠璃色の瞳を見つめた。

「ライツ。ちょっと、お話ししよっか」
「……ふぁい」

 ライツは小さな体をさらに小さくしていた。
 洋介は怒ると恐い。知っているからこそ、ライツはこれからの自分を想像すると震えが止まらなかった。

【本編はこちらから】

プロローグ
星使い ティンクル・ライツ ~願いは流星とともに~/想兼 ヒロ - カクヨム

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2026年1月19日月曜日

【SS】予想外の赤【サマー・メモリーズ】

 

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似合わない……なんで!?

「あ、あれ?」

 鏡に映る私は、目を見開いて固まっていた。 頬はカッと熱いし、変な汗まで出てきた。そこに映るのは、予想外の姿。思わず目をそらしたくなるほどの不出来。

 お小遣い握りしめて買ってきた赤リップ。期待していたからこそ、なんかガッカリだな。
 私の唇が、濃い赤に塗られて、かなりきつい主張をしている。

 なんか、下品だな。
 雑誌で見たときは、もっと素敵な感じだったのに。こう、大人っぽくて。

――それは、モデルさんがおとなだったんじゃないの?

 ……うるさいなぁ、もう。
 私の頭の中で、理性的な私が文句を言ってくる。分かってるよ、私がまだ子どもっぽいのは。

 牛乳、足りてないのかな。

「あっ」

 赤を見ていたら思い出した。そういえば、センパイは赤が苦手だった。
 舞い上がってて忘れてたな。私が好きな色でも、それじゃ意味ないじゃん。

「もう、私のバカ!」
 思わず叫んだせいで、リップがずれてしまった。踏んだり蹴ったりだ。

 私は、鏡を見つめて大きく息を吐いた。

【本編はこちらから】

第1話 夏眠暁を覚えず
サマー・メモリーズ~モノクロームの水平線~/想兼 ヒロ - カクヨム

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2026年1月16日金曜日

【更新報告】「死んでしまいますが、よろしいですか?」と真顔で言われまして【ソウル・エコーズ】

 こんにちは。

本日もお疲れ様です。

連載中の小説『ソウル・エコーズ~精霊達への鎮魂歌~』、第8話「魂響の儀」を更新しました!

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よろしくないです!

今回は物語の核心に触れる重要な回です。 謎に包まれていた「精霊符」の正体、そして主人公・ユータの体に隠された衝撃の事実が明らかになります。

シリアスな展開……のはずなんですが、今回のハイライトはどうしてもここになってしまいました。

ヒロインのリィナが、とんでもないことを淡々と言い放つシーンです。

「私が精霊符を回収すると、その結びつきも絶たれてしまいます。(中略)死んでしまいますが、よろしいですか?」 「よろしくないです!」

命の危機だというのに、事務連絡のようなテンションで確認してくるリィナと、食い気味に否定する雄大。 書いている自分でも「ここは面白い」と思ってますけど、いかがでしょうか。

物語としては、かつて世界を支配していた「魔術」が、なぜ「科学」の世界に隠れるようにして存在しているのか、説明回となりました。
退屈しないよう、工夫はしました。その一つが冒頭の台詞です。

ユータの運命は(そして心臓は)どうなってしまうのか。

よかったら読んでいただけると嬉しいです。
評価いただけると、もっと嬉しいです。

それでは、また会いましょう。


【第一話はこちらから】

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【ムー】白のもふもふ【星使いティンクル・ライツ】

  【白のもふもふ】 洋介「気持ちよさそうだな、それ」 優香の飼い犬、ムー。 井上家の人間以外にはあまり心を開かないが、ライツとは仲良し。ライツが頭の上にのるのは洋介とムーだけ。 洋介に懐く姿を見て、優香の家庭教師兼お手伝いで、ムーにいつも引きずられている良美は歯ぎしりしたとかし...