2026年1月19日月曜日

【SS】予想外の赤【サマー・メモリーズ】

 

画像
似合わない……なんで!?

「あ、あれ?」

 鏡に映る私は、目を見開いて固まっていた。 頬はカッと熱いし、変な汗まで出てきた。そこに映るのは、予想外の姿。思わず目をそらしたくなるほどの不出来。

 お小遣い握りしめて買ってきた赤リップ。期待していたからこそ、なんかガッカリだな。
 私の唇が、濃い赤に塗られて、かなりきつい主張をしている。

 なんか、下品だな。
 雑誌で見たときは、もっと素敵な感じだったのに。こう、大人っぽくて。

――それは、モデルさんがおとなだったんじゃないの?

 ……うるさいなぁ、もう。
 私の頭の中で、理性的な私が文句を言ってくる。分かってるよ、私がまだ子どもっぽいのは。

 牛乳、足りてないのかな。

「あっ」

 赤を見ていたら思い出した。そういえば、センパイは赤が苦手だった。
 舞い上がってて忘れてたな。私が好きな色でも、それじゃ意味ないじゃん。

「もう、私のバカ!」
 思わず叫んだせいで、リップがずれてしまった。踏んだり蹴ったりだ。

 私は、鏡を見つめて大きく息を吐いた。

【本編はこちらから】

第1話 夏眠暁を覚えず
サマー・メモリーズ~モノクロームの水平線~/想兼 ヒロ - カクヨム

想兼 ヒロ

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