
「ライツ、何か申し開きはあるかい?」
洋介の、じとっとした言葉がライツを包む。
「……ありません」
宙に浮いたライツはしばらくジタバタとしていたが、洋介は離してくれないと悟ると抵抗をやめてだらりとぶら下がっていた。
現行犯逮捕である。その口には、証拠品のチョコクリームがべったりとくっついていた。
サイズの問題もあるが、ライツは好物であるのにアイスクリームを食べるのが下手である。今もキッチンを汚しまくって、せっかくの可愛い服もチョコまみれだ。
(前に一度、カップごと抱えてなめだしたよな)
いわゆる、お高いアイスクリームにスプーンが立たず、我慢しきれなくなったライツは顔ごとアイスに突っ込んでいったのである。あのときも、顔中がバニラまみれになっていた。
(言ってくれたら、あげるんだけどね)
ライツはいつしか「盗み食い」という危ない遊びを覚えてしまった。友人という立場であるが、地上界で変な遊びばかり覚えてしまっては、彼女を信じて送り出してくれた親族に顔向けできない。
(よしっ)
洋介は決意を込めた目で、ライツの瑠璃色の瞳を見つめた。
「ライツ。ちょっと、お話ししよっか」
「……ふぁい」
ライツは小さな体をさらに小さくしていた。
洋介は怒ると恐い。知っているからこそ、ライツはこれからの自分を想像すると震えが止まらなかった。
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プロローグ
星使い ティンクル・ライツ ~願いは流星とともに~/想兼 ヒロ - カクヨム
想兼 ヒロ
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