僕のお祖母ちゃん
— あべ より子 (@abeyoriyori) 2018年4月27日Twitterで流れてきた漫画を見て、自分の祖母を思い出した。
祖母は自分が中学生の時に亡くなった。
幼い頃、両親共働きだったせいか、祖父母に面倒を見てもらった記憶がある。
特に祖母は初孫だったから、よく可愛がってくれた。
自分が飛行機に乗ったことないことを愚痴ると、北海道旅行に連れて行ってくれるくらいに愛してくれていた。
自分は子ども心にその愛情を利用して、色々とわがままを言っていた。
そんな祖母に何も返してあげれなかったことを、思い出せば今でも悔やむし、当時の自分を叱りつけたいくらいだ。
ある日、自宅で美容院をしていた祖母が、その店の中で泣いている場面に出くわした。
困惑して立ち尽くす自分に祖母は言った。
「お祖母ちゃんね、ガンが見つかったの」
その意味を分かるくらいには成長していたが、心が追いついていなくてただただ黙っていた自分の前で祖母はずっと泣いていた。
それから、こんなことがあったことを忘れるくらいには祖母は元気になっていた。
恐らく、治療が上手くいったのだろうと今なら思う。
でも、病魔は去ってくれていなかったようだ。
祖母は入院することになった。
結論を先に言えば、次に自宅に帰ってきたのは、天国に魂が旅立った後に残った体だけだった。
ずっと、頑張ってきた美容室の真ん中で眠っている祖母を見て、悲しくもどこか安心したことを思い出す。
彼女が生きている時に見た最後の姿は……意識もないのに、とてつもなく苦しんでいることだけは伝わってくる痛々しいものだったから。
ああ、ようやくお祖母ちゃんはゆっくりできるんだ。でも、もう二度と笑ってはくれないんだ。
眼の前に眠る祖母を見て、かつて祖母が泣いていた場所で、周りの親戚の慰めも聞こえないほどに、自分は泣き続けていた。
高校の入学式は私が行くんだ、って言っていたのに。
祖母はその一年前に旅立っていった。
5年ほど前に中学時代の同級生から、「お祖母ちゃんは元気か」と聞かれた。
中1の時、野球部らしく坊主頭にしようとしていた。
そこで、僕の祖母が丸刈りにしてくれたのを彼は覚えていたのだ。
上記の漫画ではないが、亡くなってからも物語を残してくれていたことを、とても嬉しく思ったものだった。
今度、実家に帰るので仏壇に供え物でも買っていこう。
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