2024年6月30日日曜日

【創作】「神妖装姫」オープニングテーマ【歌詞】

 


 こんにちは。

 自分の創作はキャラクター先行なので、キャラを動かしながら物語を作っていきます。その過程で、いつも自分の創作がアニメ化された時のオープニング映像を妄想したりします。


 皆、するよね? え、しない?


 以下は、「神妖装姫」と名付けた未発表のお話で考えたオープニングアニメで流れる歌をイメージした歌詞です。

 

 考えている時が一番楽しい。

 ちゃんと書けるようになるのはいつだろうか……。


想い、炎となって

この胸に残る傷 癒える日がくると

根拠の無い希望が 今は救いで

痛みごと握りしめた決意の拳

汚れのない瞳が 悪意を貫く


伸ばした手は きっと届きはしない

それでも、まだ 諦めるには早すぎるから


朱き血潮が途絶える前に

全てをつかみ救いたい

誰にも言えない悲しみ秘めて

孤独な空に夢を描いた

鮮やかに夜を染め上げる

この手の温もり 離さないから


人から聞く思い出 振り返ろうとも

消えてしまった足跡 辿ることできず

嘆きたい感情さえ残っていない

だから、「今」を無くしたくないよ


「おかえり」と私を 迎えてくれる人を

失うこと それが一番怖いから


握った拳をただ真っ直ぐに

想いの全てをぶつけていく

君と出会った奇跡を噛みしめて

何度倒れ傷ついても

瞳は絶えず輝いて

ここにいるよ、と笑い続ける


私の炎が消えそうなとき

君の笑顔を思い出すよ

あの日託された想いは

私の中で今も燃え続けている


朱き血潮が途絶える前に

全てをつかみ救いたい

誰にも言えない悲しみ秘めて

孤独な空に夢を描いた

鮮やかに夜を染め上げる

この手の温もり 離さないから


きっと、明日を 掴んでみせるから


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2024年6月29日土曜日

【随筆】背番号55への憧れ【野球】


 55という数字

 プロ野球、巨人伝説の選手、王貞治。世界のホームラン王と呼ばれた彼が記録した年間55本の本塁打。長い間、その記録を超える人がいませんでした。

 そのため、プロ野球選手として背番号55を背負う選手にはその記録を超えてほしいという願いが込められてました。


 ……まぁ、それも昔のこと。

 今の記録はバレンティン選手の年間60本塁打。


 それでも背番号55は特別な番号。個人の勝手な思い入れですが、強打者が背負うからこそふさわしい番号。気にせず「空いてるから」という理由で投手に渡す監督には「ん~」と唸ったものです。


自分にとっての背番号55

 自分は幼いころ、背番号55にすさまじく強い憧れを抱いていました。当時の図工で作った作品には、背番号55の選手を題材にしたものが溢れていました。

 自分達の世代でいえば、背番号55は海を渡ったヤンキースの四番打者が一番有名でしょう。ただ自分が描く55番の選手には青が多く使われていました。


 故郷の英雄に憧れて海を渡り、ブルーのユニフォームを身にまとった台湾の青年。

 自分の少年時代は、彼への憧れ一色でした。


 そのきっかけは、初めて見に行ったプロ野球。

 巨人ファンの父に連れられて行ったプロ野球はよく分からなかった子どもは、目の前に飛び込んだ彼の本塁打にすっかり魅了されてしまいました。

 慕っていた祖母も巨人ファンなのに、そんな感じで自分は中日ドラゴンズのファンとなって今に至ります。


後悔、先に立たず

 そんな彼が旅立って、もう10年近くになります。

 自分が今も後悔しているのが、彼の晩年、地元で店長をしていたお店に足を運ばなかったことです。

 あんなに好きだったのに。いつか行こうと思いながら、行けなかった。

 これを書いているときにも、苦しい思いになります。


後悔しないように生きるのは難しい

 そう考えると、この出来事以外にも「なぜ、しなかったのか」と後悔することは多いです。未来を予期することは本当に難しい。

 それでも。

 今の自分は、実は奇跡の上に成り立っているのではないか。


 そう、思いながら日々を生きていきたい。

 そんな風に思っています。


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2024年6月28日金曜日

【小説】別れた道の交差点【短編】

 ☆ こちらと同じ世界観です ☆



ここから始まる物語


 野球というスポーツは何となく知っていた。しかし、その子は自分の知る野球とはどこか違っていて、かなり輝いて見えた。

 体が沈み込み、全くのよどみのない投球フォームから繰り出される白球。打席に立てば、自分と同じくらい小さいというのに高々と打球を打ち上げ、外野の頭を越していく。


 一人だけ、格が違っていた。いつしか、目が離せなくなり試合が終わるまでフェンスに釘付けになっていた。


――おまえ、ずっと見てたよな。


 その少年に声をかけられる。恥ずかしさに顔を紅くしながらも、何とか頷いた。


――よかったら、一緒に野球をやろうぜ!


 その日、差し出された手。

 小さかったのに、とても大きかったことを今でも鮮明に思い出せる。


『三番、センター佐原くん』


「はっ」


 場内のアナウンスに呼ばれて、慌てて立ち上がる。どうやら考え事に夢中になっていたようだ。

 目の前で、じっと見つめる少年が一人。見つめる、というよりは睨んでいた。


「大丈夫かよ、おまえ」

「大丈夫だよ、僕は」


 相手投手の球筋など、一言二言言葉を交わして打席に向かう。ただ、教えてくれた彼には悪いが大海(ひろみ)は何も聞いていなかった。

 その言葉は、彼が予想していた範疇を超えていなかったからだ。


 審判に会釈をして打席に立つ。バットをぐるっと大きく回して右打席に構えた。そこで初めて、相手投手と目が合う。


「ああ」

 思わず声をあげた。そこにいたのは、まさしく彼であった。


 瀬川陸。

 大海の幼なじみで、野球の師匠。共に歩み、その背中を追いかけた。


(まさか、こんな日が来るなんて)


 あの日、途絶えてしまった道の先。

 その先が、今日に繋がっているなんて思いもしなかった。


 一球目。

 一度、高く足を上げてから沈み込む。左投げのアンダースロー。それだけでも、球界で希有(けう)な存在である。

 しかし、それだけでない。


 胸元への速球を見逃した。ボール。

 中央辺りだろうと目星を付けた球が高めに外れる。球が浮き上がる、なんてのはありえないことなのだが彼の球威がその錯覚を可能にしている。

 マウンドにかするぐらい低いところから、真っ直ぐに放り込まれた球は下から跳ね上がってくるように見える。


(ああ、ほんとに投げれるようになったんだ)

 しかし、大海はそんな投球を静かに見送ると別のところで感動を覚えていた。


 中学最後の試合となったあの日。

 大海はマウンドでうずくまりベンチへと下がっていく陸を、ただ黙って見送るしか無かった。


 肘の故障。それが、思い描いていた未来を壊した。


 大海は声をかけられていた強豪校へと入学した。しかし、同時に誘われていた陸は高校野球に未練を持たないように野球部のない高校に進学したのだ。


 少なくとも野球では二度と交わらないだろう。二人はそう思っていた。


 チラリとベンチを見る。

 訝しげな表情でこちらを見ている少年と目が合った。


 陸との対戦の時に、嬉しそうな大海に苦言を呈した人間だ。そんなに憧れてる相手を打てるわけがないと。


――憧れがスタートで何が悪い。僕は、それでここまでやってきたんだ。


 大海はそうやって、その意見を突っぱねた。実際、一年生から主軸を任されている実力があるのだから、相手は黙るしかない。

 そのせいで、未だに関係がぎこちない。


(でも、そうだな。打たないと)


 スコアボードを見る。相手に得点が一つ入っている。観客の誰もが予想していなかった先制点を、大海達は許した。

 そして、大海の前の打者は二三振。流れを変えなくてはいけない。


 しかし、陸の球はなかなか捕らえきれず、大海は追い込まれた。

 勝負の一球。外角低めへの速球。


(いや)


 踏み込んでそれを打ちにいった大海のバットから逃げるように球は沈み込む。シンカー。これではバットは届かない、届いたとしても凡打のはずだった。


――おまえ、体大きいんだからもっと振り回せばいいのに。


 幼い頃の陸の助言。それを可能にする軸の強さ。体は傾いているのに、バットの速度は変わらない。


 快音を残し、振り抜いた。


 ふわっと、打ち上がった打球。しかし、なかなか落ちてこない。フェンス際まで追っかけていった選手の目に、スタンドに跳び込む白球が映った。


「よし」

 打ったあと、体勢を崩して走り出すのが遅れた大海は打球の行方を確認して小さく拳を握る。

 これで同点。この試合は、まだまだ始まったばかりだ。


「いや、あんな球をホームランにするなよ」

 陸は目が合った大海にニコッと微笑まれて苦笑いを浮かべる。

「いいぜ、とことんやりあおうってんだな」

 受けて立つ。陸は静かに闘志を燃やし、ベンチで祝福されている幼なじみの姿に口端を歪める。


 あの日、終わったかと思った道の先。

 この交差点から、二人の新しい道が始まるのであった。


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2024年6月27日木曜日

【小説】甘き幻想に「サヨナラ」を【短編】

 灰かぶりの章


 そろそろ寝よう。そう促しても、娘は首を縦には振らなかった。どうしても気になるのだ。

 ハッピーエンドの、その先が。


「お姫様はその後、どうなったかって? 」

 父は苦笑いを浮かべながら、愛する愛娘の機嫌を損ねないように再び本棚へと向かっていった。


「そんなのを知ってどうするだい? 期待したような話じゃ無いかもしれないのに」

 そして、一冊の本を取り出した。見るからに古そうな装丁の、歴史を感じさせるものだ。


 いつからそこにあったのだろう。娘は、この本棚が大好きだ。それなのに、一度も目にした覚えが無い。

 あんなに格好いい本ならひと目見ただけで覚えるのに。娘は不思議そうに首を傾げた。


「そんなに知りたいのなら教えてあげるよ。でも、面白いとは限らないぞ」

 父は本を開いて語りだした。


 それは、とある姫様のその後のお話。

 


 ガラスの靴によって見いだされた妃の瞳は、暗く濁っていた。

「……退屈」

 彼女は真っ白な天井を眺めてつぶやく。


「何か、面白いことはないかしら」


 城内の生活は、きらびやかで外から見ていれば綺麗なものの、中に入ってみると堅苦しくて仕方がない。あれだけ愛を誓いあった王子も、最近は実父との政権争いに躍起になって会いに来てもくれない。

 あの舞踏会での逢瀬(おうせ)も、遠い記憶になってしまった。


 そして、友人らしい友人もいない。自分がここに来た経緯が経緯だから、仕える者も妬みや僻ひがみをもって自分と接しているのを妃はありありと分かってしまう。


 これでは、まだ『灰かぶり』と揶揄やゆされて、直接いじめられていた時の方がましだったのではないか、とまで思ってしまうのだ。

 あの時は持ってもらっていた関心すら、今の彼女にはない。


「ああ、そうそう」


 昔、自分が呼ばれていた名を思い出すのと同時に、姉や継母達の絶望に青ざめる顔も頭に浮かんできた。


 あれは痛快であった、と。


 自分達の悪行を考えれば招待されるわけがない結婚式にのこのことやってきて。貴族連中の目に止まりたかったのか、身の丈に合わないドレスで着飾って。


 それで大勢の人の前で、彼女らがこれまで妃にしてきたことを、断罪してやったのだ。

 周囲の人間は、ここぞとばかりに継母達を口悪く罵った。


 その後のことは、風の噂で聞いた。継母は、あまりの非難に心砕け、自ら命を絶ったという。こんなに面白いことはない、と妃は思う。

(……あれ?)

 そこで、妃は違和感に首を傾げた。何か、思考の片隅にモヤッとした塊ができているのだ。

 その歪みは小さいものの、確かな質量を持って心に残り続ける。


 果たして、自分は、人の不幸を面白いと思える人間だったのであろうか。確か、もっと、小さなことに幸福を見出す人間じゃなかっただろうか。


(きっと、ここが退屈すぎるからよね)


 しかし、その疑問は、もっと強い声によってかき消された。

 あれだけ長い間、耐えたのだ。その相手が死んだことくらい、喜んだっていいはずだ、と。


(そうよ、まだ足りないわ)

 ニヤッと笑う。下卑(げび)た笑みだ。そんな妃の顔に、昔の面影は残っていない。


「とりあえず、姉さん達を雇ってあげようかしら。誰とも結婚できず、露頭に迷ってるらしいし。そうだ、あんなに履きたがってたガラスの靴を履かせてあげましょう。そうね、かかとを切り落としでもしたら入るわよ」


 愉快な気持ちになってきた妃は、思いついたことを実行に移そうと立ち上がった。


「そんなの止めといたら?」


 そこに、彼女はいた。


「だ、誰!?」


 いつのまに、部屋に入ったのか。椅子に腰掛け、背もたれに体重を預けながら少女は妃を見つめていた。

 そのぼんやりとした瞳に感情の色はない。灰色がかった目には、生気すら感じられなかった。


 エプロンドレスを身に着けているが、こんな子は城の使用人として見たことがない。そもそも、こんな幼い子は妃の周辺に一人もいない。


「本当のあんたは、あたしみたいに狂いたくはないだろうしさ」


 狂っている、と彼女は言う。確かに幼子だというのに、堂々とした立ち振舞は妃の思考をおかしくさせる。彼女がここにいること、それそのものが狂っているように感じた。


 そうだ、異質な存在なのだ。自分にとっては異物なのだ。


 それならば、排除するしかあるまい。


「無礼者! ここをどこだと思っている。すぐに人を呼んで、牢屋にでも行ってもらうわ」

 権力を振りかざし、妃は少女を威圧しようとする。


「ふ~ん、そうくるんだ」

 しかし、少女は動じない。表情も変えず、目の色も変えず、ただただ妃を見つめている灰色の瞳。


「そう。あんた、あたしの言霊(ことだま)が効かないくらいに毒されちゃってるんだ。じゃあ、仕方ないよね」


 すっと、右手を上げる少女。その手首を、宙でくるりと回した。


 刹那、妃の横を風が通り抜けた。

「えっ」

 妃は絶句する。その途端、ふっと糸が切れたように彼女は昏倒した。


「があっ」


 代わりに妃の背中から声が聞こえた。胸から息と一緒に吐き出されたようなこもった声だ。女性のようで、男性のよう。そして、若くもあり、年老いてもいる。


「貴様……、なぜ私が見えている!?」

 そんな、様々な人の声が混じった音が、少女に対して驚きを伝えている。


 妃の背後にいたもの。それは、白い鳥であった。

 しかし、白かったのは先程まで。今はどす黒く変色し、その体さえも変化させて人を思わせる姿に変貌している。

 その顔にあたる部分は影になって見えてこない。しかし、少女の灰色の眼はその姿をしっかりと捉えていた。


「同業者。それしかないでしょ」


 抑揚のない声で少女は答え、エプロンドレスの裾をひらりと翻ひるがえして立ち上がった。

「さぁ、その子から離れて。嫌だって言うなら、もう一発いっとく?」

 彼女は右手にキラリときらめく銀色の得物を握っていた。それは影に突き刺さったものと同じものである。


 少女が手にしているのはいわゆるバターナイフと呼ばれる代物、当然刃物ではない。しかし、影にしっかりと突き刺さっている。じくじくと、本来感じないはずの「痛み」を影に伝えていく。


「貴様、貴様も『魔女』か!?」

 魔女、という単語に今までピクリとも動かなかった少女の眉が額に寄る。


 魔女、それは災厄の存在。その名は様々な語られ方をしているが、こと少女の中で定義は決まっている。


「ええ。あんたは、そうね、壊すことが幸福(ハッピー) ってとこかな。その子に許容量を超す幸福(ハッピー)を与えてから、壊す。うん、質(たち)が悪い」


 魔女とは、人智を超えた魔法を扱う者。そして、同時に、とあるものに執着的な喜びを見出す者だ。

 その喜びは、少なくとも大衆の秩序を乱すもの。それ故、どの土地でも魔女は災厄の存在と呼ばれるのだ。


「その子、もうほとんど魔女になってるじゃない。間に合って良かった」


 そして、魔女にはもう一つ厄介な特質がある。それは、己の仲間を増やそうとすることだ。対象者を絶望させ、他の者の絶望を糧とする新たな魔女へと変貌させる。

「ほんと、質たちが悪い」

 今は、糸が切れた人形のように倒れ込む妃。少女の前に対峙している魔女は、彼女を毒牙にかけ、新たな魔女にしようとしていた。


 魔女とはこの世界を破滅へと導いていく、人の心に巣食う伝染病のようなものだ、と少女は認識している。


「そうだ、私は魔女のエラ。貴様は何だ、他の魔女の邪魔をする魔女など聞いたことがない」

 あと少しで、幸福な終わりハッピーエンドを迎えた者を絶望に叩き落とすことができたのに。この目の前の小さな魔女に、逆に幸福感を吹き飛ばされた。

 エラは表情が分からないというのに、声に怒りが混ざっているのが明らかであった。


「そう、本当に聞いたことない?」

 エラとは対象的に少女の声の調子は平坦なままだ。


 じりっ、と少女はエラとの距離をつめる。

「別にいいけど。有名になりたいわけじゃない。あんたらに警戒されるのは、あたしにとって不幸(アンハッピー)なの」


 バターナイフを再び少女はエラに向かって投げつける。エラは、それをゆらりと右にぶれて避ける。しかし、それは少女の思惑通りの行動であった。


「あたしの幸福(ハッピー)はね」


 少女の灰色の眼が金色に光り、彼女の表情が初めて変化する。

 エラはその顔を、酷く醜いものだと思った。


 少女の感情は、愉悦(ゆえつ)だ。

 この状況、少女は楽しくてしかたない。歯を見せ、口を歪ませる彼女は足元の絨毯を蹴り飛ばす。


「あんたらみたいな魔女を、み~んな食い破ることよっ!」


 回避に意識を回したエラの虚をついて、一気に少女はその距離をつめた。


 少女はちらりと妃を見る。別にエラが彼女を盾にしようと、少女は気にしない。妃を助けたくもあるが、優先順位がはっきりとしていた。

 エラもそれが分かっているから、先程まであれだけ執着していた妃を視界の外に置いている。本能的に危機を察したエラは、この場から離脱しようと空間を歪ませた。


 しかし、少女の左手が消えかけようとしたエラの存在ごと掴み取った。


「だ~め、おとなしく食われなさいな」

 ぎりぎりと、強く締め上げる。少女は、エラの口にあたる部分を握りつぶそうと強く圧をかけていた。

「ぐ、ぐ」

 くぐもった息が漏れる音がする。


 そこで、少女はもう一度倒れている妃を見る。その間も、左手の力は緩めない。いや、確認したことで、さらに力が増している。


「幸福な終わり(ハッピーエンド)だろうが、悲しき終わり(サッドエンド)だろうが、残念な終わり(バッドエンド)だったとしても、そのお話はその人のもの。他の者が壊していいものじゃない。特に、この子のような幸福な終わり(ハッピーエンド)は譲れない」


 空いた右手で、少女は自らの腹をなでている。


 少女が思い出すのは深く暗い森。その奥で会った一人の魔女に、少女は狂わされた。

 魔女に騙され、彼女の求めるままに、唯一愛してくれていた存在を食してしまった時、少女は魔女になった。


「ね、ヘンゼル。あなたも、そう思うでしょ?」

 そこにいるはずの、存在を感じた時、少女はかつての己と同じ表情で微笑んだ。


 少女が口にした名前で、エラは思い出した。

「まさか、貴様、『魔女殺し』のグレ……」


「『壊れた幻想は夜の淵で眠る(グッナイ、フェアリーテイル)』」

 少女が口にした言霊と共に、エラは虚ろな体ごと、少女の手によって握りつぶされてしまった。


 その後、しばらく眠ったままだった妃が目覚めるまで少女は側にいた。そして、意識を取り戻した妃が最初に口にしたのは謝罪の言葉だった。


「私、お母様が亡くなったこと、なんであんなに嬉しそうに……」


 そんな妃を、少女は再び感情のない瞳で見つめている。


 少女は妃が眠っている間、少しだけ記憶を覗き込んだ。その結果、妃の継母は、彼女が嘆くような人物ではないと認識している。

(あたしが、両親に期待していないせいか)

 その点を抜いてみても、あんな継母の死を悲しめるのだ。少女が思っているよりも、妃は幸福ハッピーを見つけ出す才がありそうだ。


「まぁ、いいや。魔女もいなくなったし、あたしも退散するかな」

 まだ腹は満たされない。きっと、これからもずっと満たされることはないのだろう。


 少女は愛する者を屠(ほふ)った絶望を糧に魔女となった。その時、感じていた怒りが、魔女化によって転じたことで幸福(ハッピー)の源泉となる。

 それは、己自身への怒り。なぜ、こんなことになったのかと自身を責める憤(いきどお)り。自分が魔女となった時、その対象は魔女そのものになった。


 だから、常に飢えている。このうえは、全ての魔女を食い、そして最後に己を食うまで止まることはない。


「……あれ、あの子は?」

 妃が気付いた時、もう、そこに少女の姿は跡形もなくなっていたのであった。


「ねぇ、その子はどうなったの?」


 娘はらんらんと目を輝かせている。残酷な部分を抜いて話したのが悪かったのか、単純に冒険譚のように感じてしまったらしい。

「はい、今日のお話はここまで!」

 父は失態を反省し、無理やり、本を閉じた。


「ちえっ」


 娘はベッドの中で目を閉じる。自分の物語の日付を進めるために。


 願わくば、それが幸福な終わり(ハッピーエンド)であるように。父は、我が子の寝顔に向けて祈るのであった。


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2024年6月26日水曜日

【Twitch】敵の工作センスは小学生並み【ペーパーマリオRPG】

 ペーパーマリオRPG、3日目

 Twitchで積みゲー解消をしています。



ふしぎの森の大樹

 今回はふしぎの森の大樹を攻略しました。

 元舞台女優、クラウダを仲間にして敵に制圧されかけている大樹の中をプニ達を引き連れながら進みます。

 道中、色々なしかけがあり、昔はここに進んだ文明があったのではと想像できます。


出撃、バッテンダーロボ

 今回で敵組織がガッツリと出てきます。

 そして、敵幹部のペケダーとの決戦はまさかのロボット。


 ……夏休みの工作かな?

 そこそこ苦労しましたが、力押ししました。


ジャンプを何とかしたい

 道中のジャンプアクションが一番の鬼門です。

 これを何とかしないと先に進めない……。



 次回は6/30の予定です。

 よかったら遊びに来てください。


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2024年6月25日火曜日

【雑談】空をかけるモグラの物語【好きな本】

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 こんにちは。

 今日は童話「星モグラサンジの伝説」について話したいと思います。

 自分が今まで読んだ本で一番好きなのは、と聞かれたら迷いなくこれです。


伝説のモグラ「サンジ」のことを人間に知ってもらいたい。


 このお話は、作者が家の庭に現れたモグラから聞いたお話です。

 やわらかい文体である本文と、エッセイ調の文体である作者とモグラの交流が交互に描かれ、読む人に「物語」ではなく、「伝説」なのだと思わせてくれます。


自分が「モグラ」であることは頭に無い


 とにかく主人公のサンジはまっすぐです。

 何にまっすぐかというと「食欲」

 食べたい、という動機に彼がモグラであるという壁は存在しません。


岩も砕くし、空も飛ぶし、水にも潜る。


 「モグラだから無理」だと皆が思うようなことを、ひたすら努力を重ねて実現させてしまうサンジのパワーに圧倒されます。

 それは伝説だわ。


 最後には人知れず、世界も救ってしまうサンジ。

 もし、読んだことがない方は手に取ってみてください。

2024年6月24日月曜日

【Twitch】こんな肉食獣、軍隊必要でしょ【ペーパーマリオRPG】

 

ペーパーマリオRPG、2日目

 積みゲー解消のため、Twitchでゲーム配信やってます。

 今回は、ステージ1のボス、ゴンババ退治をメインに進めました。


マジで殺してくるの?ここのドラゴン

 ゴンババ城に転がっているカメの骨。

「ああ、カロンね。あとで起き上がってくるんでしょ?」

 ↑この考え、後々の展開を見ると合ってはいましたが中には本当のカメが 混ざっているみたいで。

 ノコタロウのイベントでは普通に騙されました。お父さん、生きてると思ってたけど、死んでなくてよかった。

 でも、ここの場面、ギャグっぽくしてごまかしてるけど、食われて死んでるカメは存在するんだよなぁ、と思うと死の気配に震える。


災厄のドラゴン、ゴンババ襲来!

 ようやく最上階。

 ゴンババ、立体的でずるくない? こっちはペラペラなのに。

 事前に弱点を知っていたので、そんなに困ることはありませんでした。

 ただ観客が食われたのには驚いたなぁ。

 ほんとに死んでるし、キノピオ達……。

 この世界、見た目以上に殺伐としている。


恋を知るAI

 ピーチ姫視点に切り替わり。敵組織がやっと判明しました。

 そんななか、ピーチ姫を見ていた敵のコンピューターにノイズが走る。どうやら「恋」を知った模様。

 ……ドラえもん映画のバギーちゃんを思い出したのは、自分だけではないはず。


ふしぎの森の大樹

 ゴロツキタウンの地下から、小さな生き物に連れられてステージ2です。

 思ったより不思議な光景でおどろきました。

 さて、どんな冒険が待っているのやら……。


 次回は水曜日朝の予定です。

 よかったらよろしくお願いいたします。

2024年6月23日日曜日

【報告】文学フリマ大阪12、申込完了しました!

  こんばんは。


 文学フリマ大阪12、申し込み完了しました!

 昨年は初参加とあって、準備が全くうまくいかなかったので、今年は万全で臨みたいと思っています。

 昨年の写真。他の地域でも思ったけど、スタッフさんのイラストかわいいよね?


 一番キツかったのが、せっかく銀行で両替した小銭をまるごと忘れたこと。今年はしない。


 昨年頒布した本の続きは必ず持って行きます。


 願いは流星とともに(1) 星使い ティンクル・ライツ


 よろしくお願いします。

2024年6月22日土曜日

【小説】黄金の右目と真っ黒紳士【短編】

 彼女の右目に映るもの


「あなたの悪事、私の目が全て見通しよっ!」


 指差した相手は見事に動揺していた。


 あんなにうろたえてたら自分が犯人だって言ってるようなものじゃない?

 でも、無理もないかな。


「な、何を言ってるの。黄色い目をしたお嬢さん」

 そうそう目が怖いんだよね。でも、黄色いのは右目だけ……いや、片方だけの方が目立つのか。

「証拠はあるの?」


「えっと」

 あれ、何だっけ。台詞忘れた。


「それはあの子が言ってたから」

 口に出しかけて飲み込んだ。視界の片隅でブンブンと首を横に振っている彼の姿が目に入ったから。


 あぁ、はいはい。これは禁句ね、分かってます。


「あなたが毒を捨てた場所。案内してあげるって言ったら、どう?」

 あの慌てよう見てたら台詞を思い出せた。よかった、よかった。


「二十点」

 意気揚々の私に彼は冷や水をぶっかけてきた。

「き、厳しい」


 彼は夏だというのに、重っ苦しい真っ黒なスーツを着ていた。


「嬢ちゃん、芝居の癖が強すぎ。最後まで話せたのは奇跡だな」

 う~、それは分かってる。私だって、私相手に話を聞こうとは思わないもん。怪しすぎる。

「でも、相手は最初から身構えていた。それは嬢ちゃんが地道に活動してきた成果だぜ」

「それが二十点分?」

 彼は満足げに頷いているが、私は不満だ。それじゃあ、今日の分の点数は零点ということじゃない。


 どうやら私の不満が伝わったようで、彼はにやりと笑う。


「嬢ちゃん、あそこで自分の秘密を喋ったら零点で終わらない。分かってるよな」

「分かってる」

 本当かぁ、と彼は疑っている。確かに口を滑らせたのは私だけど、そんなに信用無いかなぁ。


――いいか、嬢ちゃん。その目は切り札(ジョーカー)だ。使う時は気をつけろ。下手に話すと敵をつくる。俺みたいな物好き、そうそういないからな。


 優(ゆう)さん、あなたに言われたことなんだから覚えてるに決まってるじゃない。


 事務所の扉を開けて、大げさにため息をついた。


「はぁ。遠かったなぁ。パパには反対されたけど、やっぱり免許取ろうかな」

「嬢ちゃんが、運転?」

「……そこ、驚くところ?」


 私は、どんと勢いよく座り込んだ。その様子が淑女(レディ)らしくない、と彼がたしなめてくる。


 正直、うるさい。

 彼のことは無視しよう。聞こえないふりは慣れている。


 無視する私相手に静かになった彼が、また話しかけてきた。

「それで、坊主には報告できたのか」

 その話なら、してあげてもいい。……あげてもいいって、我ながら何様よね。


「あの子、私が見つけた時に、もう消えかけてたからなぁ」

 あの子とは自殺に見せかけて殺された犠牲者。

「一応話したけど、私の声が届いたかどうか」

 そして、有力な情報提供者だ。


 私の右目だけが黄色いのは、生まれつきじゃない。幼い頃に高熱を出して、気がついたら黄金に染まっていたんだ。

 そこからは地獄だった。何で、地獄かって?


 想像してみて。

 目が覚めて、最初に見る顔がママじゃなくて、ドロドロに顔の溶けたおじさんだったりしたら。正気でいられると思う?


 私の右目は、この世にいないものを見ることができる。


 あの子も私が会った時、すでに死んでいた。だから、事件解決しても無力感を感じてしまう。私のしていることは結局、自己満足じゃないのって。


「そう落ち込みなさんな」

 そんな私の表情に気づいて、優さんが笑って声をかけてきた。

「嬢ちゃんが気づいて、皆の心に刻みつけた。それは価値がある」

 彼に讃たたえられると悪い気はしない。しないけど、さっき低い点数をつけられたことを根に持っているので反撃しよう。


「優さん、真剣味がないのよ。だって、うさんくさいもの」

「なにを。こんな紳士をつかまえて、うさんくさいって」

「だったら、もっとすっきりとした服装に着替えなさいな」


 俺には俺のポリシーがある、と叫んでいる。そのポリシー、何度も聞いてるんだって。私が毎回気になるのは、喪服もかねて、ってトコ。

「誰が相手か教えなさいよ、それなら」

 小さく呟いた。

 

 私はずっと、その相手を探し続けている。本人に聞ければ早いのに、それができないのがもどかしい。

 でも、試してみようか。ふと、思い立って、優さんに向き合った。


「優さん、その嬢ちゃんっての止めてよ。私、いくつになったと思う?」

 最初に会ってから何年経ったろう。

「嬢ちゃんが、一人前の淑女(レディ)になったら考えてやるよ」

 それでも変わらない、嘘くさい笑顔を添えて彼は同じ返答を繰り返す。

「その時は、嬢ちゃんに似合う花でも買ってやるからさ」


 ここだ。

 激しくなった動悸に息が苦しくなる。全てが壊れそうで、言いたくない。


「花を買うって。そんな日、もう二度と来ないじゃない」


 それでも私は、決定的な一言を言ってやった。

「ん、何か言ったか」

 途端に脱力。やっぱりね。そうなると思った。


 ふぅ、と大きく息を吐いて右目を右手で隠してみる。


 瞬間、音が消えた。そして、そこにあった優さんの姿も消え去った。左目に映るのは、生活感のない殺風景な事務所の風景。

 その空虚な空間を見ていると、不安でたまらなくなる。私は慌てて、右手をどかした。右目の視界が涙でぼやけたのは、きっと気のせいだ。


「どうした、嬢ちゃん」

 優さんの姿を見て、安心した。


 安心?


 我ながら、矛盾している。彼がいなくなることを望んで、姿が無いと動揺するんだから。


 そう、彼も、すでにこの世にいない。他の人と違って、存在がハッキリしすぎてるから時々忘れそうになるのだけれども。


――いいか、嬢ちゃん。


 閉じた目に映るのはいつもの黒ではなく、一面の朱。

 私を庇かばって刺された傷から、流れ出る鮮血。


 パパにお願いして、彼の遺品を整理しようと事務所に訪れたとき、「よぉ、嬢ちゃん」と変わらぬ笑顔で出迎えてくれた時の驚きを、今も忘れることはできない。


 あれから、私も大人と言える年齢になった。なのに、彼が消える気配がない。

 長く留まりすぎて原型を無くし、悪意の塊かたまりになってしまった人を何度も見ている。そうなると、もう私ではどうにもできない。


 だから、私は決めた。

 この人が教えてくれた右目の使い方を駆使して、この人が抱えている無念が何なのか探って、バシッと解決して送り出してやるんだって。


 まぁ、バシッとできる時が今のところ皆無だけど。

「嬢ちゃんは、まだまだ手がかかる」

 子ども扱いする彼にはイラッとくる。でも、実際一人ではどうにもできないことが多い。


 本当なら、優さんは自分で事件を解決したいはずだ。でも、私以外に話しかけても通じないもんだから、私を影から支えているつもりになってるらしい。

 死者は存在に不都合な真実を、ねじ曲げる。それは知ってるけど、ずいぶんご都合主義じゃない?


 そんなわけで、お化けの見える黄金の右目しか取り柄のない私と、その相棒を気取っている真っ黒な死者という奇妙な関係が誕生した。


 行き先は不透明。

「まぁ、いいか」

 長引きそうだけれど、仕方ない。これは私にとって、優さんへのお礼と、贖罪しょくざいだ。どれだけかかってもいい。


 電話が鳴っている。

「はい、松木探偵事務所です」

 看板は、彼の生前から変えていない。こうしていれば、優さん目当ての客がやってくる。


『……あれ、女の子?』

 今回もそのようだ。きっと、これを繰り返していけば優さんの未練へとたどり着けるはず。

「私にお任せを!」


 さて、今回は何を見ることになるのやら。まぁ、優さんと一緒なら大丈夫かな、とりあえず。

2024年6月21日金曜日

【雑談】創作の原点は「ゴジラ死す」【創作】

  こんにちは。

 ちょっと思いついたので、自身の創作について話したいと思います。


『日記』は苦手

 自分が創作らしきものを初めて文章として書いたのは小学生の時の日記でした。宿題で出るやつです。

 これが、まぁ、苦手でした。書くことが無くなるんです。「何を書けばいいんだろう」と、悩む時間が長くなって遊びの時間が消えるんですね。同じの書けばいいのに、自分で縛りプレイ。

 自分のブログ・note・SNSを見てもらうと分かるんですが、今でも自分の日常を文章にするのは苦手だったりします。特別なことが起こった記録、みたいに考えてるんでしょうね。「これ食べた」とかでいいのに。


そうだ、お話書こう

 そこで、どんな思考回路でその結論に至ったのか、覚えていないんですが、だったら全部空想で書いてやろうと当時の自分は思ったんですね。そこで題材にしたのが、画像をお借りしたゴジラです。

 ゴジラ、大好きなんですけど当時映画やってなかったんです。ゴジラが死んじゃって(世代がバレる)

 そこで、復活した初代ゴジラと新しく誕生したゴジラが戦うお話を考えて毎日の日記代わりに書いてました。


読者は先生一人

 まぁ、こんなもの、今から考えたら宿題の意義に反してますよね。先生からしたら、普段の生徒の様子が知りたいのに「変なの書いてきた!」ですよ。

 ただ、それで「止めろ」と言わず、ほんの一言だけでも毎回感想をくれるので嬉しかったのは覚えてます。結局、最後までは書けなかったかと思うんですが、それでも長く続いたのは先生の反応のおかげです。


noteを始めて

 普段の小説もそうですが、反応がもらえないと書く気力が一気に削がれてしまうという欠点が自分にあります。公募のためにコツコツ書ける方を本当に尊敬しています。

 ブログもそうですね。反応がないまま書き続けることができなくて(PVはあるのに)中断する時期が長くて続きませんでした。

 その点、noteは反応もらいやすくて良いですね。ちょっと反応があれば、次も書こうと思える。良いツールだと思います。

 なんでもっと早く手を出さなかったんだろうw


 これからも、何か思いついたことを書いていきます。

 苦手でも、苦手なりに、ね。


2024年6月20日木曜日

【小説】生き人形(リビングドール)は夢を見る【短編】


祖父の遺言

 変態で偏屈。いくら名声を得ようと、我が愛すべき祖父の人間的な評価はそんなものだ。

 ぼんやりと空に祖父との思い出を描いてみる。


「否定はしないけどさ」


 利明としあきが思い出すのは、初めて知ったサンタクロースという存在を、興奮気味に話したときのこと。確か、枕元に靴下を置いておくと、子どもが欲しいものをプレゼントしてくれるって。そこばかり強調して伝えたのだ。

 今とは違って素直な子供時代。それが真実だと心の底から信じていた。それを聞いた祖父の心中は穏やかではなかったろう。


 クリスマス当日。言われた通りに靴下を準備して、利明はワクワクと胸を高鳴らせて眠りについた。ちなみに、他にクリスマスらしいことは何一つしていない。

 クリスマスだけでない。幼少期、何か特別な行事をした記憶も無い。皆から「かわいそうに」と言われるけれども、当の本人は何も気にしてはいなかった。

 楽しいと感じることも、今から思えば他の子と相当ズレていたのだ。親がいないことを揶揄やゆされたって、どこ吹く風だ。


 あの祖父あって、利明がいる。彼も、相当変わっている。


 ああ、それでクリスマスの話だ。そこに戻ろう。次の日の朝、利明は何を見たと思う?


「靴下には裸の女の子が一人」


 ひと目で人形と分かるが、それはとても精巧にできていた。他の人形のように持ち歩けば、周囲から怪訝けげんな目で見られるだろう。今の利明くらいの年齢だったら、警察に呼び止められるかもしれない。それぐらい、リアルなものであった。

 当時、それを手にした利明は幼すぎて性に目覚めていなかった。彼は漠然と「サンタの趣味は爺じいちゃんと一緒か」と思ったものだ。


「寒そうだったから、布テープをぐるぐる巻いたんだっけ」

 ミイラ女の完成である。それを持って無邪気に遊ぶ彼を、なんとも言えない表情で見ていた祖父の表情を同時に思い出した。


 そう、その人形を靴下に突っ込んだのは祖父だ。彼は人形作りを生業としていた。老人は老人なりに、サンタのことを嬉々ききとして語る利明のことを想おもって行動してくれたのだ。


 そんな祖父の作品は、世界中で称賛されていた。

 「リビングドール」、つまりは「生き人形」。芸術家として、ちょっとした有名人だった。


「もうちょっと早く知ってればなぁ」

 あの人形も高く売れたのに。そんな短絡的な理由ではない。第一、経済面ではかなり支援してくれた。不自由さを感じたことはない。

 無論、今は多少先行き不透明ではあるが、それも大学卒業までは大丈夫である目途が立っている。


 そう、彼の後悔は別のところにある。

「もうちょっと早く知ってれば……絶対にあんなこと、言わなかったのに」

 利明は一度、祖父に怒りをぶつけたことがある。祖父の仕事を気にはしていなかったが、理解していなかった。そのつけが、利明が思春期だったころに襲ってくる。


 当時、気になっていた女の子がいた。その子が祖父の作品を見て、言ったのだ。

 気持ち悪い、と。

 とても、冷たい目だった。それが、成長で不安定になっていた利明に突き刺さった。そして、生まれた衝動のまま、祖父に叫んでしまった。


――今すぐ、そんな仕事やめちまえっ!

 祖父は、ただ黙って聞いていた。そこに張り合いがなくなったのと、後ろめたさを感じて利明はそれ以上何も言えなくなった。しかし、自分は悪くないと思い込んで謝ることはしなかったのだった。


(なんで、すぐに謝らなかったんだろう。馬鹿な俺)

 その時のことを、今でもずっと悔やんでいる。そう、もう、謝ることもできない。


「さて、と」


 たどり着いた実家は埃ほこりっぽかった。帰省の度に掃除していたのに、すぐに汚れる。

「あんなに元気だったのに。ポックリと逝っちゃってさぁ」

 大学を選べなかった彼のせいだが、祖父の死に目に会えなかった。だから、未いまだに亡くなった実感がない。

 廊下の奥から歩いてくるのではないか。微かすかな気配を感じて振り返るも、そこには誰もいない。


 あまりにも突然の死で利明は整理できていない。葬式で涙が出なかったときは、自分に怒りすら生まれた。

 しかし、こうして誰もいない家を歩くとちゃんと「さみしい」と感じている。祖父の痕跡を無意識に探す自分に安心を覚えた。


「ここは入れてもらえなかったからな」

 彼は、生前祖父が仕事場にしていた蔵の前に立っていた。今日の目的地はここだ。


 遺産の整理とか、知り合いの弁護士に任せている。あの人付き合いのない祖父が名指しで遺言を託した相手だ。利明も少し話しただけで信頼を覚えている。

 そんな彼に、「ここはあなただけしか入れてはいけないと言われています」と伝えられたら。今までどこか恐ろしくて近づくことすらなかった蔵だろうが、開けるしかないだろう。


「うわっ」

 思わず声をあげた。掃除なんてしたことがなかったのだろう。大量の塵ちりが舞う。


 久しぶりの光が中に入る。そこには何体か、作りかけの人形があった。

「生きて、ないな。これは」

 完成品しか見たことがなかった利明は、それを「生き人形リビングドール」と認識できなかった。

「何というか、モノ?」

 芸術品ではあるが、そこには魂がない。そんな批評家みたいなコメントが思いついた。


「仕上げが凄すごいんだろうな」

 文字通り、祖父は魂を込めていたのだろう。ここで作業する祖父の姿を想像しながら歩いていった。


 一番奥にたどりつく。机の上に、大きな桐きりの箱が横になって置かれていた。

「……」

 思わず息をのむ。それには、異質な存在感があった。


「開いてる」

 本来なら触れてはいけないものな気がする。しかし、蓋ふたが開き気味で放置されていると好奇心を刺激されて仕方ない。


「俺に開けろって言い残してたんだ。さすがに触っていけないもの置いてないだろ」

 どこか後ろめたい気持ちもあったが、ズレている蓋に手をかけ、上にゆっくりと持ち上げた。


 その瞬間、彼の目は驚きで大きく見開かれる。

「あ、あ、え?」

 動揺で鼓動が早くなる。背中に冷たいものが走った。いくつか、危機管理的な行動が思いつく。


 しかし、その目まぐるしい思考が過ぎ去った後。

「あ。ああ、これ人形か」

 利明は安堵あんどの息を吐いた。


 見た目は十代前半の女の子。全く乱れずに伸びている長い黒髪に、真ん丸の瞳。体を包む和服も清らかだった。その肌の艶が、あまりにも生々しくて事件を疑ってしまったほどである。


 少々不気味だけれども、おそらく利明の記憶に残る祖父の作品のどれもがこれを超えられない。最高傑作だ。

 これこそ、まさに「生き人形リビングドール」。


「ん?」

 その人形が抱えるように持っている本が気になった。

「ごめんね」

 人形が大事そうに持っているように見えたから、思わず謝ってしまう。かなりの年代物なそれを持ち上げた時、挟まっていた紙がハラリと落ちた。


「とっとっと」

 空中で捕まえようとするが、取り逃して地面まで落ちてしまった。しゃがみこんで拾おうとした。

 だから、決定的な瞬間を見逃してしまったのだ。


「もうっ! 利通としみちさんっ。掃除できないのなら、せめてしっかり閉めておいてくださいっ!!」

「はいっ!?」

 いきなり背中から大声で怒鳴られた。心臓が飛び出そうになる。


 恐る恐る振り返ると、声の主が目をゴシゴシとこすっている。

「ゴミがこんなに。私の目、傷つかなくても痛いんですよ」

 ようやく痛みがひいたのか。それは顔を上げて、利明をじっと見つめていた。


 彼はその間、あまりに不可思議な出来事を前に黙って立ち尽くしていた。


「あれ、利通さん。ちょっと若返りました?」

「俺は利通じゃねぇ。利明だ」


 あまりにも緊張感のない声に引きずられるように自分の名前を答えてしまった。


 それが比喩ではなく文字通りの生きている人形、椿つばきとの出会いであった。


 衝撃の出会いの後、利明は古びた本の達筆すぎる字と格闘していた。分かったのは人形の作り方が書かれているということ。しかし、内容がオカルト過ぎて理解が追いつかない。


「死者の復活? 反魂の術? 人間の骨を原料って」

「信じられません?」

「いや、おまえ見てたら疑うところの方が少ないというか」


 椿は利明の横にちょこんと座っている。寝ている時は人間と見間違うほどだったが、こうして動いている姿を見ると、滲み出てくる違和感が彼女を人形だと伝えてくる。


 一番の違和感は。

(こいつ、瞬まばたきを全くしないんだよな)


 本当であれば気味が悪い存在。そんな彼女が横にいても利明が平気な理由。それは本に挟まれた祖父の手紙を見たからだ。


『利明へ。どうか、椿を人間にしてやってくれ』


 簡潔すぎる。そんな短い言葉が利明の心を打った。

 祖父が、彼に、何か頼み事をする。そんなことは祖父との思い出の中に一つも無かったから。


「私は、流行病はやりやまいで死んだ子どもだったそうです」


 椿は自分のことを伝聞調で語っていた。

 長く存在している間に、記憶はところどころすり減ってしまった。今は直近のことしか思い出せないらしい。

 それだけ、長い間、この家に受け継がれて、ずっと生き続けてきたのだ。


「何で、俺はおまえを一度も見てないんだ?」

「それは、私から眠らせてもらいましたので」


 祖父が祖母と結婚した頃、椿は自ら箱の中に戻った。

――こんな偏屈者はきっとすぐに一人になる。そしたら、また一緒に人間になる方法を探そう。

 祖父と、そんな約束して。


 約束。その言葉を聞いて、利明の胸は痛みを感じた。

「俺のせいだな。約束、守れなかったの」

 俊明の母、祖父の娘がようやく結婚できて、家を離れた。だが、すぐに交通事故で亡くなってしまったのだ。生まれたばかりの利明を残して。

 祖父は両親の代わりに利明をここまで育ててくれた。その分、祖父は約束に使える時間をなくしてしまったのだ。


 きっと、祖父は利明を大学に送り出す時はすでに死期を悟っていたのだろう。利明はそう思った。

 だから、遺言をしっかりしていたし、椿を封じていた本と一緒に手紙を隠しておいた。これを開けるであろう利明に向けて。


 そして、託したのだ。自らが叶えてあげられなかった約束を。利明に。

(ポックリ死んだと思ってたのは俺だけ。なんて、間抜けな話だ)


 だからだろう。祖父が手紙に残したあの短い一言に、相当な無念を感じるのは。


 横に座っている椿を見る。

「やれるだけやってみるよ。それでいい?」

「はいっ」

 椿は嬉うれしそうに微笑ほほえんだ。やはり、その笑い方は少し変で、ぎこちない。


 何をしていいかも分からない。何もできずに、椿を落胆させるだけなのかもしれない。

「とりあえず、風呂入るか? なんか……かび臭いし」

「乙女に言う言葉じゃないですよ。利明さん」

 膨らまない頬ほおを膨らませようとする椿。そんな彼女の、本当に笑った顔を見てみたと利明は思ってしまっている。


(今はそれだけで十分だ)

 祖父の願いと、このちょっとした自分の願いがあれば前に進んでいける。


 そうやって、この「生き人形リビングドール」が見る夢に付き合ってみるのも悪くない。そう、利明は思っていた。

2024年6月19日水曜日

【日記】「庵野秀明展」に行ってきました



希有な才能、ここにあり

 今日は愛知県名古屋市、金山駅近くで開催されている「庵野秀明展」に行ってきました。

 庵野監督といえば、自分の中ではやはりエヴァの監督としての印象が強いです。あと近年ではシンがつく特撮映画で活躍されていますね。

 自分の一押しはシン・ウルトラマンです。


「監督」はこうしてできあがった

 最初は庵野秀明を構成するもの、というテーマで監督が幼い頃から触れてきた作品群が並んでいました。

 ウルトラマン、宇宙戦艦ヤマト……このあとのコーナーでも触れられていましたが、自分の作品に、この時初めて触れた原体験を再現したいとの想いが詰まってるみたいですね。


天才

 「作り手」として目覚めた頃の作品が展示されていましたが、圧倒されました。その熱量に。

 特に学生時代につくりあげた特撮作品は思わず「アオイホノオ」の島本先生を思い出しました。ああ、この才能が近くにいたら……思わず叫びたくはなるよなぁ。


書き込みに感じる熱

 とにかく細部までこだわり抜いた作品だとあらためて感じました。全力投球過ぎて、有名な話ですけどエヴァの時に苦しんだんですよね。

 あと、苦しんだのは映画のスタッフかw


 概ね満足な展示会でした。

 今世で監督の作品に出会えて幸せです。


 おみやげでゴジラ第二形態金のシャチホコを買いました。


 かわいい……のか?

2024年6月18日火曜日

【twitch】ペラペラマリオとの冒険へ『ペーパーマリオRPG』【YouTube】

 紙ゲー

 ペーパーマリオシリーズはキャラクター自体はペラペラで世界は奥行きがある、そんな舞台でいつもと違うマリオ達がわちゃわちゃする……。

 そんなイメージでずっとやってみたかったのですが、機会がなくてこれまできてしまいました。

 そんな中、評価の高いペーパーマリオRPGがSwitchでリメイクされたとのことで早速購入しました。


そりゃ泳げないよね

 まずビックリしたのが、水に落ちたらダメージをくらうマリオ。

 そりゃそうだ。紙だからね。

 あと、見た目が軽いわりに妙に世界観が重い気がするのは気のせいでしょうか。

 キャラクターが食べられて亡くなっている、とか。


 まだ始めたばかりですが、すでに面白いです。

 また続きやってこうかな。


☆ Twitchで配信しています ☆

2024年6月17日月曜日

【日記】嫌なことを思い出した時の対処


 ふと蘇ってくる記憶

 なんか、急に嫌なことを思い出して頭がぐわぁっ~となる時ってありません?


 自分は順風満帆な人生を送ってきたとは言えません。挫折もしたし、後悔もあります。

 ただ、今それを思い出したところで苦しいだけなので、ほんといらないんですよね。


脳にとっては昔とか関係ない

 たとえ、遥か昔のことだとしても思い出しているのは今。

 たぶん、脳が何とかできないか悩むことで苦しんですよね……。何ともならないんだって。

 「ああしとけばよかった」「こうだったら変わってた」とか、今考えても自分が傷つくだけなんですよね。

 ぐわあっ~となっているのはそのせいかと。


「止めろ」と叫ぶ

 他のことを意識しようとしても消えてくれないので、その都度自分に向かって「止めろ」とか叫んでました。

 「もういいっ、もういいっ」って。

 ただ、これ。すっきりするときとしないときがあるんですよね。あと、人目があるところでやったら変人ですw


太ももを叩く

 そんなとき、どこで見たか覚えていませんが「太ももを5回たたく」という対処法を知りました。

 これが効果てきめん!

 すっ、と消えてくれるのでかなり楽になりました。


 自分みたいに苦しんでる人がいたら、どうか試してみてください。


 ……できるなら、思い出さない方法が知りたい。


精神科医が教える ストレスフリー超大全 ―― 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト


 勉強するか……。

2024年6月16日日曜日

【活動報告】魔王無き世の英雄譚~砂上に舞う『歌姫』は、高らかに『最強』を唄います~


 小説更新!

 「小説家になろう」さんで自作「魔王無き世の英雄譚~砂上に舞う『歌姫』は、高らかに『最強』を唄います~」の第2話目を更新しました。

 ネット小説大賞が開催されている間に、ちょこちょこ更新していこうと思っていたのに、大きく間が開いてしまいました。

芸術に燃える者達

 あとから自分で読み直すと、途中に出てくるタイトルの「芸術に燃える者達」に推敲の余地があると感じています。

 芸術に狂ってる感をもう少し気持ち悪さを出したかったなぁ。クレイジーというか。


 ……褒め言葉ですよ。自分もそこまで打ち込めるようになりたいという願望でもあります。

文学フリマにも持って行きました

 文学フリマに文庫本として作ったものを持って行きました。調子に乗って注文したのでまだ在庫がありますよw

 BOOTHで購入できます。

 同じ内容のkindle本はkindle unlimitedに加入している方は無料で読めます。よかったら、どうぞ。



2024年6月15日土曜日

【日記】DJI Pocket 2を注文してしまった【衝動買い】

 これがあるからお金が貯まらんのよね……。

 ブラブラと電気屋さんをうろついていたら、ビデオカメラ売り場が目の前に。

「そういえば、Vlogカメラ気になってたんだよな」

 吸い込まれるように売り場にいったところ、前に調べたときにオススメで表示されていたDJI Pocket 2が。



 まずは一言。

「ちっちゃえっ!」


 上の商品画像見て、自撮り棒くらいだと思ってたんですけど、予想以上に小さくて驚きました。

 そもそもの動機がスマホで動画を撮る際の手順の多さ。

 「スマホで撮れるよねー、荷物増やしてもさ」と「いちいちカメラアプリ立ち上げるの面倒だな」を、行ったり来たりしていたのですがこの小ささにはやられました。


現物見るのって、やっぱ衝撃強い。

 一端、そこでは諦めたんですが、どうしても欲しくなって調べているうちにクリエイターコンボ(ワイヤレスマイクついてるセット)で、中古で付属品全部付きの美品を発見。


 ……押しちゃうよね、注文ボタン。


 と、いうことでまだ商品確保していないのに鞄とかSDカードも注文してしまったヒロでした。

 一期一会。

2024年6月14日金曜日

昔作った動画【星使いティンクル・ライツ】

 

昔作った動画。

新しく買ったiPadで紙芝居動画に挑戦したもの。

キーボードがちょっと辛かった。

2024年6月13日木曜日

【日記】はじめてのサッカー観戦【観戦記録】

 壮絶なゲームの果てに


 水曜日は予定が合えばいつも野球観戦に行っているのですが、今日はサッカーを見に行きました。最近、スポーツ観戦熱が強いのです。

(ラグビーを一度見てみたいんですが、今からシーズンオフ。残念)

 場所は長良川競技場。

 地元のJ3、FC岐阜がJ1の横浜F・マリノスを岐阜に迎えての天皇杯2回戦です。


天皇杯

 前々からサッカーの天皇杯は面白い大会だなと思ってました。

 プロだけで無く、アマチュアや学生も含めての一発勝負トーナメント。

 高校生が勝ち上がっているニュースを聞いてワクワクしたものです。

 (今日、他の会場ではアマチュアがプロに勝つというジャイアントキリングがあったそうですね。そんなことも、もともとこういう試合形態じゃないと生まれないですよね。ほんと、面白い)


相手は横綱

 Jリーグには疎いんですが、さすがに横浜F・マリノスは知っています。見に行く、となってから調べてみましたが今年は苦しんでいるものの、アジアで勝ち上がった世界クラスのチームです。

 対してFC岐阜は前戦で5失点。リーグ戦は負けてばかりとのこと。観戦に行くことを決めたものの、一方的な試合になったらつまらないかもなと余計な心配をしていました。


がっぷりよつ

 座席はFC岐阜のマスコット、ギッフィーが初心者におすすめしていたバックの席。


https://www.fc-gifu.com/watching/guide/


 応援団はずっと歌ってて大変だなと思いながら、ぼんやりと見ていました。

 横浜F・マリノスは素人目ではあるものの洗練された上手さを感じました。それに対してFC岐阜は粗を感じるものの、がむしゃらにぶつかっていきます。気づけば前半が0-0で終わり、後半に。


これは勝ったと思った

 硬直していた試合は横浜F・マリノスがついに先制。

 やっぱり難しいか、と思ったのも束の間。なんと2点を取っFC岐阜は逆転に成功。

 そして6分と長いアディショナルタイムに突入。いつのまにか、応援団の真似をして拍手をしていました。

 これは凄いのを見れる……そう思っていたら、何と残り少しで横浜F・マリノスが同点に。延長戦になってしまいました。


お互い限界突破

 延長戦は、選手の皆さんが時間を見つけてはストレッチをしたり、怪我で離脱したりと壮絶な展開に。

 延長戦はお互い譲らず、PK戦になりました。


最後の一人

 両チームとも外すこと無く5人目に。

 そして、FC岐阜の5人目が外したことで3時間の熱戦が幕を閉じました。


最後に

 最後まで残っていた観客に挨拶に回っている選手を見て涙が出そうになりました。まさか、こんな試合を見れるとは。

 自分の思いつきに感謝です。


 次の試合の予定はいつかなーなんて、カレンダーを見たり。

 よい時間を過ごせて良かったです。


 次回はせめて緑の服を着ていよう(←青い服で行ってしまった人)



2024年6月12日水曜日

【日記】るろうに白血球【映画】


 映画史上最"小"の物語。

 「漫画の実写化!」という情報に顔をしかめる方も多いかもしれません。

 自分はコスプレ感が強い(注:自分の感覚)と萎える傾向にあるんですが、その、擁護できないレベルのものは一目見て生地がテカテカ過ぎません?

 そこばっかり気になって内容が頭に入ってこないのです。


 しかし、この「はたらく細胞」のPVは「ああ、ちゃんと細胞達がはたらいている」って思うんですよね。

 実際、おもちゃ箱みたいな色彩がファンタジー色を強くしていて好印象です。


 漫画は意外と短いんですよね……スピンオフが多すぎて錯覚してましたけど。

 ちなみに、スピンオフは一巻だけ読んで合わなかったので続きは読んでいないです、はい。


 今回の映像で一押しなのは白血球(演:佐藤健)。

……白塗りしたるろうに剣心だ、これは。


 監督さんも、漫画原作に定評のある方ですし、これは続報が楽しみです。

2024年6月11日火曜日

【小説】蘇った『小さな大砲』

 


『四番、ファースト、瀬川くん』


 その場内アナウンスが耳に入ったとき、大海ひろみは思わず身震いした。

 出場する、とは前から聞いていた。だからこそ、監督に無理言って休みをもらい、偵察すらいらぬ小さな大会まで足を運んだのだ。

 そして、今。距離はあるが打席に向かう姿も目の前にある。


(ああ、ほんとうに)

 それでも、自分以外の誰かが彼の存在を認識し、その名を口にしているという事実は感慨深いものだった。


「あれが瀬川陸、か」


 大海の隣で、暇そうに足をぶらつかせていた少年も、そのアナウンスで試合に注意を戻した。

「聞いてはいたけど、ちっこいな」

「岸田先輩……」

 大海は文句でも言ってやろうと思い、しかし、自分は言う立場ではないと思い直して押し黙った。

 そんな彼を見て、大海の一つ上の学年である岸田有ゆうは大きく息を吐いた。


「おまえが気にする奴ってのを見てみたくて来たけど……ほんとに、そこまでの選手なのかね」


 有は思う。隣にいる佐原大海は紛れもなく天才だ、と。春の全国大会の活躍を見たものであれば、野球を知らなくても皆がそう思うだろう。それだけの選手だ。

 そんな彼に中学時代の話をさせたことがある。男子高校生らしい、浮ついた話を期待した上級生が一様に顔をしかめたのを覚えている。


 なにせ、彼が語ったのは中学時代の同級生の武勇伝だ。きょとんとした聴衆の顔なんて目に入らない。出会いから別れまでのドラマティック・ストーリーが展開された。目の輝きは、まさに恋する少女に似ている。お酒を飲まずとも酔っている、そんな様子だった。


 その主役だったのが、眼前の小さな四番打者。瀬川陸である。


「まぁ、見ててくださいよ」

 ふてくされた様子で、大海は有から視線をそらした。いや、そらしたのではない。陸の打席に集中し始めたのだ。

「そりゃ、見るためについて来たんだけどな」


 しかし、見れば見るほど迫力の無い打者だと有は思う。対戦相手の投手も、そう思ったのだろう。先程まで浮き足立っていたのに急に落ち着いてきた。

(まぁ、慌てるのは分かるよ。同じ投手だから)


 なんせ、相手は今年からの新規参戦。元女子校。ベンチ入りのメンバーは全員で12人。

 それなのに、いきなりのバントヒット。そして、初球からいきなり盗塁。さらに二番打者に簡単に送られた。そんなスマートな野球をされるとは思っていなかった投手は完全に焦っていた。

 続く三番は、粘りに粘って9球目に四球を選んだ。隙の無い、横綱のような野球だ。


 陸への初球。決して遅くない速球で簡単にストライクをとる。打つ気のなかった陸は、全く微動だにせず見送った。こっから立ち直ろう、投手のそんな意思を感じる球だった。

 陸はぐるりとバットを回す。大きく背を伸ばしてから、彼は構えをただした。


(あれ?)


 そこで、有は違和感を覚えた。先程までの楽な相手だというイメージが急に吹き飛んだのだ。

 体の大きさは変わっていない。それなのに。


(大きい)


 甲子園球場で見た化け物達。その誰にも劣らぬくらい大きく見えた。それは有の投手としての本能が告げる危機によるものだ。うかつに攻めたらやられる、と脳に訴えかけている。

 マウンドにいないというのに、だ。これで対峙していたら、どれほどのものだろうか。


 しかし、実際に対戦している投手はそんなあからさまな危険を感じることができていなかった。一球目と同じ、気の抜けた速球。

 陸は、それを見逃す選手ではない。


 高い音が球場に響く。白球は放物線を描き、球場の一番深いところまで飛んでいった。

 スリーランホームラン。


「……なんだ、ありゃ」

 ようやく絞り出した有の声はかすれていた。

「あれが、瀬川陸です」

 その有の反応を見て、嬉しそうに大海は頷いた。


 そこからは、また大海の熱弁が始まった。陸は肘を怪我して断念したが、本当は一緒の高校に来るはずだった。だから、監督も今日の試合を見に来ることを許してくれたと。彼の肘は治っていないけれど、野球部を作りたいと活動する少女に巻き込まれる形で入部した。本当なら、高校野球は諦めるつもりで野球部のない高校に入ったというのに。


「そういうのが陸っぽいというか。本人、嫌がってる感じを出しているのに、いつの間にか、中心にいるんですよ」

 きらきらと目を輝かせる大海に、有は少しだけ不安を感じる。


(分かってんのか。そいつが復活したってんなら、かなりの強敵になるんだぞ)

 陸の学校は同地区だ。そんな感じで戦えるのか、と有は大海をたしなめたくなる。とは言っても、今の大海には暖簾に腕押しだろう。


(そっか、でも)

 有は左手を握りしめる。しっかりと力が入らない。彼も、この冬に怪我をしてから実際には投げれていない。

 自分がいなくても勝ち上がるチーム。必要とされていないんじゃないかという不安から、リハビリに身が入らなかった。目的も見失っていた。


 しかし、あの瀬川陸という打者。

(投げてみたい)

 久しぶりに、有は熱を感じていた。


 治療帰り、鼻歌まで歌っていた大海に声をかけてよかった。

 有は、その偶然に感謝しつつ、この夏までの復活を誓うのであった。


☆ 同じキャラクターのお話はこちら ☆

2024年6月10日月曜日

【小説】陽を往く者


  満月が出ているというのに、足下はひどく暗い。目の前の闇から、何者かが覗いているような気がして、その度に少女の足は止まりそうになる。

 だめだ、走り続けないと。


 息がうまくできない。あれから、どれくらい走ってきたのだろう。体は悲鳴をあげている。

 こんなことなら、いくら締め切りが近いからといって、夜遅くまで学校に残るんじゃなかった。

 少女は今更、己の選択を公開していた。


 普段と同じ帰り道。そう、あの曲がり角を行くまではいつもと同じだった。

 ふらふらと前を歩く人がいた。その人が急に生け垣に倒れ込んだのを見て、驚き近寄った。大丈夫ですか、と声をかけながら。


 しかし、すぐに彼女の足は止まる。体はそのまま生け垣に突っ伏しながら、首だけが……そう、首だけ後ろに回して彼の視線が彼女を突き刺した。

 生気を失った顔に、目だけが血走って。大きく開けた口に、異常に大きな犬歯が光る。


 そして、確かに聞こえた。彼はこう言ったのだ。

 血が欲しい、と。


(まさか、あれが噂の吸血鬼?)


 少女は昼間にしていた級友達との話を思い出す。

 昨日、変わった死体が見つかった。体は綺麗で、外傷と言えるのは首筋の傷跡だけ。それなのに、全身から一切の血液が失われていた、と。

 そんなの吸血鬼じゃない、と高い声で彼女達は笑っていた。


 見間違いならどれだけいいだろう。酸素の足りない脳が、それでも思い出すのを止めてくれない。

 あの、身の毛もよだつ男の顔を。


「あっ」


 夢中で走ってきたせいか。彼女は袋小路に迷い込んでしまう。目の前には壁だ。先には進めない。

 戻らなければ、と考える頭に足音が響く。


(来た!?)


 一際、鼓動が大きくなった。どうしよう、と悩んでいる間に足音は近づいてくる。もう逃げられない。


「そうだ」


 少女はロザリオを取り出す。祖母から譲り受けた由緒正しきもの。きっと、この窮地から救ってくれる。

 まさに、天に祈る気持ちで十字架を握りしめると、彼女は近づいてきた者に向けて突き出した。


 怖れで、ぎゅっと目をつむっている。そんな彼女の耳に小さく嘆息の音が聞こえてきた。


 あれ、と思うのも束の間。

 命綱のように握りしめた大きめの十字架を、目の前の彼はひょいっとつまみ上げたのだ。


「あっ」


 そこで初めて前を向いた。


「お嬢さん、覚えておくといいぜ」


 そこにあったのは、あの恐ろしい形相ではない。


「こういうのを嫌がるのは、それこそお嬢さんみたいな信心深い者の成れの果てさ」


 いつのまにか、満月が満月らしく夜を明るく照らしていた。その月の光が、彼の金色の髪を闇の中で輝かせていた。

 年は少女よりも少し年上に見えた。その白い肌は海外の人のようでいて、日本人の血も感じさせる顔立ちをしている。


「ほれ」


 彼はロザリオを雑に放り投げる。少女の固まった体はようやく動き出す。慌てて、それを地面に落ちぬように受け止めた。


「吸血鬼じゃ、ないの?」

 動揺が続く彼女は、自分でも意味の分からないことを口走る。何を言い出すんだろうか、少女は自分で自分を叱りつけたい気分になる。

 気を悪くしただろうか、そんな思いで上目をつかう彼女の眼前で、彼は予想外の反応をする。


「ん~にゃ」

 悪戯な笑みを浮かべ、首を横に振ったのだ。


「はっ?」

 彼の返事に、脳の処理が追いついていない彼女は見事にフリーズした。そんな彼女を見て、彼はケラケラと大きな声で笑っている。

「ま、吸血鬼にも色んなやつがいるってことだ。覚えとけ」


 そのまま立ち去ろうとする彼を、硬直したまま見送っている少女。


 このままでいいのだろうか、とふと思った。関わらない方がいいと思う冷静な自分と、この出会いにわくわくしている不謹慎な自分が彼女の中にいた。

「えっと、あなたは何なの?」

 それで絞り出したのは、やっぱり意味の分からない問いだった。彼女はもう、いっぱいいっぱいなのだ。


 そんな彼女を見て、驚く彼は目を丸くしてた。しかし、すぐに柔和な笑みを見せると、こう言った。


「俺は陽を往く者。吸血鬼を屠る、吸血鬼さ。今宵は何とか助けに入れたが、今度はそうはいかないぞ。夜道には気をつけて」


 今度こそ闇に消えていく彼の背中を、見えなくなるまでずっと見送った。


 また会えるだろうか。

 少女はそんな思いで、目を輝かせていた。


☆ よかったら、こちらも読んでください ☆

2024年6月9日日曜日

【漫画感想】孔明のヨメ。 16巻



孔明と月英、変わり者の夫婦の結婚から始まったこの漫画ももう16巻。

ついに、三国志でおそらく1番有名な「赤壁の戦い」が描かれます。


史実と虚実は織り交ぜているかと思いますが(不勉強ですみません)、孫権との同盟以降、その中でも虚実よりな孫尚香の暴れっぷりが見物な前巻までのお話でした。


情報を使って戦っている孔明がとてもかっこいい。


そして、今巻でついに激突です。


個人的に1番印象的だったのは、圧倒的な敵として描かれてた曹操の油断とそれによって招いた危機に気づいた場面です。


この漫画、キャラクターが生き生きとしてるのが魅力なんですが曹操のあの表情は初めてだったのでは無かろうか。


ちなみに自分の三国志知識は「三国無双」「レッド・クリフ」ぐらいなので、ほぼゼロです。


それでも面白く読めるんだから、作者さんは凄いなぁ。

(おまけ漫画で書かれる取材量に脱帽です)


☆ もしよかったら読んでみてください ☆

2024年6月8日土曜日

【自作紹介】星使いティンクル・ライツ~願いは流星とともに~

 

「流れる星のキセキをここに!」

妖精、それはかつて人の側にあった者達の名。今は遠き記憶の存在となっている者達。

星妖精の少女、ライツの願いは「友達をつくること」。思いがけず飛び込んでしまった人の住む地上界で一人の少年と出会う。

彼の名は洋介。人ではない「友達」と過ごした思い出を胸に、いつか再会できることを夢に見ていた。

二人が出会った時、新たな星使い“ティンクル”の伝説が始まる……。

「何か代表作みたいに言われてます」←笑われた

おそらく、自分の書いてきた話で1番読まれたお話です。

妖精界という、人間の住む世界とは少し違った場所で暮らす星妖精の少女、ライツ。

不慮の事故で彼女の知らない人間の世界へと落っこちたところで一人の少年と出会います。

その少年、洋介は初めて見る彼女に驚きこそすれ、すんなりとその存在を受け入れます。


彼がライツを恐れない理由。

それは幼い頃の思い出が原因なのです。


ネタ出しは格闘ゲーム。

そんな感じで始まるお話ですが、キャラクター先行で考えたもので、もともとは格闘ゲームの投稿キャラクターをイメージしていました。

だから、バトル有りです。

本当に書きたい部分はそこだったりします。


一昔前の少女漫画?

お話を書くきっかけは当時他の作品で言われた感想です。

どうも、自分の文体が「一昔前の少女漫画」っぽいと。

言った方は褒め言葉な感じでしたが、ちょっとチクリと刺さったのを覚えています。


「だったら、そういうの書いてやろうじゃないか」

日曜朝をイメージして書き始めましたが、どんどん深夜に近づいていく(笑

自分、そういうところあります。

コメディチックなのを目指して、書けば書くほどシリアスに寄っていっていったり。


冒頭のあらすじを読んで気になった方がもしいれば、お気軽に読んでいただけると嬉しいです。


☆ カクヨム ☆

メイン連載。


☆ Kindle ☆

Kindle unlimitedに加入している方は無料でダウンロードできます。


☆ 文庫 ☆

イベントで頒布したものです。

2024年6月6日木曜日

隣にはそれが好きな人がいるかもしれないという話【プロ野球を観戦して】

まけほー。

6月6日、ナイトゲーム。

中日ドラゴンズVS福岡ソフトバンクホークスの試合をバンテリンドームナゴヤに見に行きました。

いやー、ソフトバンクさんは強かった。

試合内容で色々思うところはあるんですけど、それはいったん飲み込んで、試合中にちょっと思ったことを書き残しておこうかなと思います。
(ハリーホークさんはかわいかっこよかった。普段見られないマスコットが見れるのも交流戦の魅力ですね。)

記事にもなっていたので、間違いなくこの試合の分岐点になったのが山本選手のエラーです。

それに関しては「アウト取れてたらこの回終わったのになぁ」ぐらいは、僕も思いましたよ。

ただ近くにいたお客さんがずっと「おまえのせい」とか「まだ打席立たすのか」と彼が試合に出続けている間、ずっとうるさくて嫌な気分になりました。

一人言のつもりだろうが、聞こえてるからな、あんた(イライラ)

最近、SNSの中日ドラゴンズに関する呟きを見ないようにしています。

もともと他人が怒られている声にも萎縮してしまうくらいには気が小さいので罵倒って文字情報を見るだけで自分にダメージを負うんですよね。

まぁ、思うのは自由だし言うのも自由だと思うんですけど「それ、批判のつもりだろうけど誹謗中傷になってるからな」と言いたくなることもしばしばで。

誰もが見れる、誰かに聞こえる場で言うのであれば感情を落ち着けてから言いましょうよ、ほんと。

それが好きな人が隣にいるとか、考えないんでしょうかね。

ちょっと前に肩身の狭いビシエドファンの方の話を見ましたけど、たぶん、周囲の声がうるさかったんでしょうね。

ちなみに自分は球団ファンというよりも選手のファンに近いです。

勝ち負けよりも、「ここで打たないと一軍定着できないぞ」とかいう目線で見てます。

……親か(笑)

だから試合に出ている人はみんな活躍して欲しいですし、活躍してお給料上がって欲しいです(笑)

今年、フリーエージェントになるであろう選手にも「この成績じゃあ、良い条件出してもらえないんじゃ無かろうか」と余計な心配をしています。

まぁ、結局、楽しみ方は人それぞれ。

チームが強くなるために提言するのは、自分は「何様だ」とは思わないですし、大いにやっていただいてけっこう。

ただ、言葉には気をつけて欲しいというだけです。

届くはずの言葉も届かなくなりますよ。

次行くときは、こういう思いにならないといいんだけどなぁ。

【SS】予想外の赤【サマー・メモリーズ】

  似合わない……なんで!? 「あ、あれ?」  鏡に映る私は、目を見開いて固まっていた。 頬はカッと熱いし、変な汗まで出てきた。そこに映るのは、予想外の姿。思わず目をそらしたくなるほどの不出来。  お小遣い握りしめて買ってきた赤リップ。期待していたからこそ、なんかガッカリだな。 ...